原油先物、6月限にもパニック売り-WTI原油が一時42%安
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あくまで国際指標はブレント価格ですが、WTIの動きに引きずられる形で、ブレント価格もバレルあたり20米ドルを下回りました。ロシアの今年の政府予算では、原油価格が40米ドル台前半であるという前提を組んでいます。需要の弱さを考えると年末までに価格が急騰する展開は見込めず、ロシアは一般財政すら計画通り執行できない。言わんや経済対策など、となります。通貨も弱く金融緩和も困難、コロナショックに伴う景気悪化を和らげることが非常に難しい情勢です。
最大の原油ETFであるUSOの限月ロール方針が変更になったことも影響しているようです。これまでは期近限月80%、期先限月20%に投資していたのを、期近を40%、期先を55%、さらに次の限月を5%に投資する方式に変更。
CFTCの規制上、原油先物の25%を一つの投資主体が保有してはいけないことになっていて、それに対応するもの。
8-k
http://www.uscfinvestments.com/documents/united-states-oil-fund-8-k-20200421.pdf
昨日もその限月入換オペレーションが行われていたため、6月限月の価格下落につながっているようです。米国に次いで産油量2位と3位のサウジアラビアとロシアの原油価格の予算上の前提は、それぞれ40ドル台前半と60ドル前後とされています。ロシアが指標とする北海ブレントもドバイ原油も10ドル台に下がっていますから原油に財政を頼るこうした国々は大変です。エネルギーを輸入に頼る我が国にとって原油価格の下落は基本的には良いことですが、これがシェール企業を始めとするエネルギー企業の債務不履行やオイルマネーの世界からの引き上げ等を通じて金融システムを揺らしたら大ごとです。目の離せない状況が続きそう (・・;