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御年88歳にして、飽くなき探求心で常に進化を続けるコトラー教授。私が最初にお目にかかったのは1998年、ケロッグに入学して間もない頃でした。ある水曜日にTA( ティーチングアシスタント、2年生が担当していました)が受け持つ課外授業の一つとして、懐かしのPalmPilot(パームパイロット)の上級者向け活用講座がありました。ガジェット好きだけが集まるマニアックな講義だったので、参加者は10名程度だったのですが、私の隣の席に座っていた60代と思しき男性が、積極的にTAに質問を浴びせかけていたのが印象的でした。TAがひどく緊張しながら質問に答えていたので、講義のあとで「私の隣に座っていた人、一体誰ですか?学生じゃないですよね?」とTAに聞いたところ「それ本気で聞いてるの?まさか、フィリップ・コトラー教授を知らないの?」と呆れられました。もちろん、マーケティングの神様のコトラー教授の名前は当然知っていましたが、まさか学生に交じってTAのセッションに参加して、学生以上に好奇心いっぱいで真剣に質問をしているのが、「近代マーケティングの父」だとは思いもしませんでした。

「神様」と呼ばれてもなお、学び続け、成長しようとする姿勢に、非常に感銘を受けたのを今でもはっきりと覚えています。もしかしたらケロッグで学んだ一番の成果は、そうしたコトラー教授の姿を間近に見られたことかもしれません。
ポストコロナの世界、「ニューノーマル」の中で企業のバリュープロポジションが大きく変わる、それがどんなものかまだ言語化できていない。
ただ、「プレコロナ」(=資本主義、自由主義寄り)株主至上主義から価値観やニーズが変わってきている「お客様」、もっと広く「社会」と向き合うことをして行かないと存在価値がなくなる。

この大混乱の中、企業も人も「新しい状況に適応しながら、回復力を高め、創造力を発揮する在り方」を追求することが求められる。あの有名な言葉を思い出す。
「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。」

「状況は厳しくとも、新型コロナウイルスの感染はいつか収束する。そのときに備えて「電源をすぐに再びオンにできる」ようにしておくのだ。すなわち、マーケティングのプログラム、商品の価格、販売チャネルを調整することによって、自社にとって最適な位置、状況、サイクルを維持できるように準備しておくべきだ。」