G20、途上国の債務返済猶予で合意 年末まで
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既に報道されていたことが合意のニュースですね。
こうした有事の時には基軸通貨の米ドルが上がりやすく、最貧国の米ドルを中心とした外貨建債務負担が膨張しやすいですから、妥当な判断でしょう。1980年代初めに中南米の累積債務危機に遭遇して以来、リスケ(返済繰り延べ)とヘアカット(元本削減)を伴う債権国と債務国の交渉結果に多少なりとも巻き込まれる機会が何度かありましたが、これは利害調整を巡って大変なエネルギーと時間がかかる作業です。新興国の経済規模が相対的に大きくなり、極端な金融緩和で多量の資金が新興国に投入されているいま、行方次第では先進国が蒙る負担はかつてないほど膨らむかもしれません。それでなくてもコロナウィルス問題で先進諸国の金融機関の負担が重くなる中で元本削減の負担まで表面化したら大変ですし、新型コロナウィルス対策追われ国家間の人の移動が制約される中、簡単に進められる交渉でもありません。しかも今回は、交渉慣れした先進諸国のみならず、急速に大国化し対外債権を梃子に一帯一路の勢力圏づくりを進める中国が債権国としてどのように動くか分からないという要素が加わります。
中国が加わるG20が『最貧国の債務返済を一時的に停止することで合意した』のは当面の混乱を回避するうえで好ましいことですが、ウィルス問題が去って本格的な交渉が始まった時、諸国はどのように動くのか。新型コロナウィルスが、ここでも世界の様相を変えるかも。