日本がコロナで「PCR検査抑制」を決めたロジックを完全図解
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4月12日放送のNHKスペシャルでは、2月下旬の段階で「日本では都市機能封鎖の法律もないし、PCR検査できる場所も不十分な中でできるのはクラスター対策」という様子がありました。「PCR検査抑制」というよりも「十分な数の検査ができない」というほうが正確です。
過去の日本は幸運にも大規模な感染症から免れていましたが、結果として「感染症対策はお金がかかる無駄な事業」として国・民間企業が本腰を入れてこなかったのが現在です(韓国とシンガポールはSARSの経験あり)。
「今まで問題がなかったんだから大丈夫だろう」は、皆さんの会社にもあるのでは? 無駄を削ぎ落とし、効率よいやり方を求めた結果、余裕がなくなり、トラブル対応できなくなったのが(感染症に限らず)今の日本や企業です。これを機に、余裕を作ることの大切さを考えてみましょう。検査を抑制した日本の方針も正解ではないだろうし、
かといって、希望者には全員検査を、というのも正解ではない。
そもそも、検査を行う際には、
検査結果が絶対正解とは限らない(偽陰性がありうる)という大前提を、
検査する側もされる側も理解しておくことが大事で、
たとえ陰性であっても、症状がある場合は念のため自宅療養する、ということを守れるリテラシーが必要。
医療崩壊させないために検査結果を絞っていた、という話は、
https://this.kiji.is/621304569613403233
明らかに疑わしい症状がある人であっても検査をせず、
結果的に、そういう人は少し症状がおさまると仕事復帰したりして、
感染を広めかねないので、本末転倒となりうります。
明らかに疑わしい症状がある場合には検査できる体制ではあるべきかと。
そういう方針になってしまったのは、
早々にCOVID-19を『二類感染症』に指定してしまったから。
陽性者はすべて入院させることになってしまったので、
検査増やす→(感染が広まれば当然)陽性者が増える→病院のベッドが不足
となってしまうことを懸念したのでしょうが、
そこでやるべきは、検査制限ではなく、無症状・軽症者は病院以外の施設で隔離、に方針転換すること。
今でこそそうなりましたが、その方針転換をもっと早期にするべきだったのではと思います。
たらればになってしまいますが、
たらればの批判をするというよりは、
今後同様の危機に面した時に備えて、今回の経験はちゃんとフィードバックしておくべきと思います。「健康診断のホント」という連載タイトルのようですが、健康診断における検査の意義という意味なら、図解は全くもって正しいと思います。
しかし、現在の首都圏におけるコロナウィルス感染症にあてはめるのは少し乱暴かもしれません。感染症診療における検査は、健康診断における検査とは意味合いが大きく異なるからです。
まず、PCR検査の特異度は例示されている数字よりも高く、通常100%に限りなく近い値をとります。故に偽陽性の方は図解されているよりも圧倒的に減ります。これは感染流行のごく早期から明らかにされていたことです。
また、現在でも無症状者にもむやみに検査を行えばこのような図式が成立するかもしれませんが、少しでも症状のある方に行えば、現在の東京では事前確率はかなり高まるのではないかと思います。実際に検査の陽性率はここ数週間で急上昇しています。1ヶ月前とは状況が違うのです。
後半のリソースの限界という点はその通りだと思いますが、検査数と現在の死亡者数で比較をするのも乱暴だと思います。このような単純比較にはバイアスの可能性が多分に含まれます。また、これほどタイムラグのある数字を現時点で比較してしまうことに、私は全くもって賛同できません。
「誰でも検査」が弊害を生むという総論には全く異論はありませんが、「必要な方には滞りなく行う」ことも重要です。この記事によって誤解を与えないか気がかりです。