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現時点での銀行の与信費用の概算を、3つのシナリオで推計してみたものです。
しかし、米国の見たこともないような新規失業保険申請件数を見ると、少なくとも米国についてはまだまだ甘いかもしれません。これから状況に応じてアップデートしていきたいと思います。
一方で、日本もそうだが今後公的資金の注入を受けることについては
経営の自由度の観点から銀行側がギリギリまで抵抗するだろう。言い換えれば銀行からお金が出なくなるタイミングが来るのでその際に国が信用保証枠の拡充や公的金融機関のさらなる活用に早期に踏みきれるかどうかが大事になってくる。
バブル崩壊後の邦銀への公的資金注入との違いは今回はコロナという完全に外部要因が理由であり銀行としても想定できない事象であることから政府としては支援がしやすいがポイントは銀行が受けるかどうか。
地銀などの再編は加速する可能性はある。
大掴みにポイントを述べると、①ある程度のストレスを想定しても邦銀・米銀は平均的に耐えられる(株価的にも、資本を2割強毀損する本推定を上回る年初来下落済み)、②欧州銀は相対的に資本が脆弱なところもあり不安を残す。
本稿は銀行視点であるが、企業視点で考えれば、①米国中小企業の8割強が1行取引なので事業存続可能性は日本に比べ危うい、②日本企業に関しては債務者区分や引当の柔軟性を認めることで制度面から銀行支援をサポートすべき、の2点を強調したい。
なお、邦銀のリスクに関して個人的に心配しているのは、中小零細企業よりも大企業の動向。97~03年の金融危機は中小企業ではなくゾンビ企業と揶揄された大企業が引き金となっており、小口分散が利く中小より大口貸出が危機を醸成ことを認識しておいた方がいいだろう。
今回のコロナ危機は、金融発ではなく、実体経済発。しかもつなぎ資金もどこまでつないでいくべきかが見えない。
他方、タダでも金融機関、とりわけ地域金融機関の経営が厳しい最中の出来事です。
中小企業は大変なことになっている。でも支店数の多い民間銀行は、とてもじゃないが救済に乗り出す体力がない。
結果、拠点があまりない政府系金融機関が頼りにされています。先月までは、日本公庫がパンク気味でしたが、今月に入ると商工中金も手が回らないほどになっています。
医療現場の戦場は大変な状態にありますが、危機対応融資の現場も戦場と化しています。
マクロの議論をしていると、ミクロがつぶれる。これが今の日本経済の真の姿なんです。
日本はそこまで逼迫していませんが、欧米の影響はグローバルに伝搬し、債権やCLOを買っている日本の銀行は厳しい状況に追い込まれる恐れがあります。
政府は企業を救うことができないが、最終的に国民の生活を守らなければならない。長期化を覚悟し、早急に対策を考えなければ、一揆(暴動)がおきる。
僕も数日以内に、ダイヤモンドで同様の論考を出す予定です。
スイスだと即日キャッシュが振り込まれたりするそうです。
ちなみに、日本では最短で1ヶ月かかるとか・・・。
本記事にあるように、中堅中小が厳しくなると銀行は大変なことになります。
とりわけ、地銀や信金は厳しい。
金融庁は、合併や再編を条件に公的資金投入という方針を採るかも知れません。
期せずして地銀等の合併再編が行われ、余剰となった銀行員がどんどんリストラされてしまいます。
全国380万社・従業員数3,300万人への影響ある中で、諸々の支援施策の現金給付が規模も小さく、手元に届く時間がかかりすぎていて、それまで持ちこたえられるかも心配です。