「問われているのは『命と経済』ではなく、『命と命』の問題」 医療人類学者が疑問を投げかける新型コロナ対策
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感染拡大を防ぐことは正しい。ただし、そのためにすべてを犠牲にしてもいいのか。BuzzFeedの岩永さんが、医療人類学者の磯野真穂さんのインタビューをまとめています。
このなかで感染した人が「感染してしまって大変申し訳ありません」と言うようになったことが触れられています。とても大事な話なので、引用します。
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病気になるのはあなたが不運だったからではなく、あなたの自己管理に問題があったからだ、という考えが顕著になったのは20世紀の後半からで、その考えが今回の感染症にも見られています。
謝罪をされる方々は心から申し訳ないと思っていらっしゃるのだと思います。
でもそうやって謝罪が続くと、この感染症は誰もがかかる可能性を持った病気から、自己管理の失敗に姿を変えてゆくでしょう。私たちはなんでもかんでもコントロールできるわけではないという事実にこんな時だからこそ目を向けるべきです。
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ぜひ記事全文をご覧ください。いま私たちのモラルが問われています。非常に読み応えのある良い記事でした。
「命と経済か」とか「病気でなくなる命か経済でなくなる命か」という二者択一の話ではないのだと思う。しかし、あまりにみんなが俯瞰した神の視点になったかのごとく、自分が全ての裁定ができるかのような錯覚に陥っている。
医療従事者は目の前の命を救おうと日々努力してるし、こんな状況下でも毎日食品店で働く人や物流で物を届ける人も努力している。何が不要で何が必要という議論は不毛で、それぞれが自分の役割を全うすることしかできないと知ることではないか。それは個々人が勝手に動くということではない。俯瞰した視点を持った上で、我々は自分自身の行動しか決められないと理解すること。「こっちが正しい」→「だから、自粛しないお前は間違っている」とか「経済が死んだらもっと多くの犠牲が出る」とか言い合って誰かほ責めてばかりの輩がいるけど、そういう人間こそ蜘蛛の糸にぶら下がる餓鬼そのものです。そう、(コロナで奪われる)命と(経済で奪われる)命の選択を迫られる訳ですが、前者は急速に広まれば圧倒的に死亡者が増えるのに対して後者はじわじわと来ます。まず前者に対応、そして後者に速やかに対応が望まれます。絶望しないよう見通しは早めに伝えることも大事ですね。