【ファクト解説】東京は「医療崩壊」に耐えられるのか
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今回のコロナウィルス感染症は8割が軽症で止まるものの、初めの1週間を過ぎたあたりまで、本当に軽症のままなのか、突然重症化するのかが読みにくいという点が厄介です。この重症化のプロセスはある程度時間が経ってから、突然時間単位で起きるので、軽率に「軽症者はホテル」の議論は危険とも感じています。ホテルに行ったは良いものの、そこで手遅れになる可能性もあるからです。
例えば、「軽症者」で括らず、若くて合併症のない方、一定期間を経て安定を確認した方、重症化を乗り越えた方が退院まで医療従事者の常駐するホテルで過ごす、は一案かもしれません。
また、他国の各都市での動きを見れば、ベッドを増やすこと自体は最終的にはあまり大きな問題にはならないことが分かります。
問題は、「仮設テントなどで病床は増やせても、対応に当たる医療従事者の数は急に増やせるわけではない。」という点です。
仮にOBなどを活用したとしても、高齢の方を感染リスク、ひいては死亡リスクに晒すことになってしまうかもしれません。
例えば、各国になく、私たちにあるのは、震災の経験です。限られた都市で傷病者がまたたく間に増える震災では、患者を地方に分散して対応する「広域医療連携」のノウハウを確立してきました。あるいは、特定の県の外から医師を派遣し、海上に病床を生み出す「病院船」の議論もありました。
このコロナウィルス感染も、全国に満遍なく広がるのではなく、限られた地域で急速に広がります。このようなフレキシブルな取り組みは、他国にはない日本なりの解決策になるかもしれません。
また、足し算をしながら、引き算をしなければなりません。急ぎではない外来受診、内視鏡、手術を延期とし、書類仕事もストップして、内科、外科の垣根を超えて感染者の診療にあたる。これからは、知らぬ間に高く大きく築き上げてしまってきた専門科の「壁」を取り壊していく、横の連携作業も大切になるのではないかと思っています。海外から日々、医療崩壊の深刻な状況が伝えられていますが、日本でも同様の状況に陥る可能性が懸念されています。東京の状況がどれだけ逼迫しているのか、データと関係者への取材で探りました。
記事の内容に加えて、さらに、
コロナ陽性と知らずに診療していた患者さんが感染者だったり、
医療従事者が感染したりすることで、
外来や入院を制限しなければならない事態がすでに生じており、
コロナ患者さん以外の診療にも影響がでています。
そういう点でも、医療崩壊の危機に瀕しています。
医療崩壊を免れるためには、
・無症状・軽症者の病院以外での隔離
ももちろん大事ですし、
・COVID-19感染者の治療をする病院を集約して、一般診療と施設を分ける
これができればベターですが、現実的にはすぐには難しいかもしれません。
なにより、
・ひとりひとりの外出自粛、手洗い
がとにかく大事で、
あとは、不急の受診は先延ばしにしましょう。