武漢の改善、欺瞞と医師が告発 習氏視察で隔離解除、検査停止
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習近平主席の視察に合わせ、症状の残る多数の患者が隔離を解除され、一部の感染検査も停止された。しかし、隔離施設の医師は、武漢市の状況改善は欺瞞だと告発。また、中国政府の武漢で新規感染者が0人になったとの発表も欺瞞で、政府の集計は「信頼できない」と断言、とのこと。
中国の新型コロナが収束してきたというのが新型コロナ禍の数少ないよりどころでしたが、それが真実でなければ、禍はかなり長期化することになります。やはり、中国の「ウイルスを基本的に抑え込んだ」という主張には裏があったという発言が出てきました。
中国では、下の人間は上の人間の意図に沿った報告をする傾向にあります。上の人間を不愉快にさせる報告をすれば、失敗の責任を負わされ、粛清されかねません。
今回は、習近平指導部が一刻も早くコロナウイルスを抑え込んで、世界に対して、中国は悪者ではなく、世界を救うヒーローであるというイメージを打ち出したいという意図が明白でした。
習近平主席が、ここで「ウイルスを抑え込んだ」と公表すると決めれば、誰も反対することはできず、「抑え込んだ」状況を演出しなければならなかったのだろうと想像できます。
今回、武漢の状態の改善は欺瞞であると公表した医師は、自らが粛清されるのを避けるために、名乗り出ることはないでしょう。そうすると、この告発の信ぴょう性に疑いがあるという主張もされるかもしれません。
しかし、中国共産党が、実際に抑え込んでもいないウイルスを野放しにしたとすれば、中国国内からは別の批判も続くと考えられます。共産党はこれを強権をもって抑え込もうとするでしょうが、社会の不満を完全に抑え込むことはできません。少しずつでも、告発や情報のリークが出てくるでしょう。
そして何より、「ウイルスを抑え込んだ」状況を演出するために、症状が改善していない患者の隔離を解き、感染検査を中止したのだとすれば、中国国内の新型肺炎は感染を拡大させ続け、また、隠しておけないような状況が生起すると考えられます。もし、そうした状況が国民の目に触れれば、習近平主席の権威は地に落ちる可能性もあります。
いずれにしても、中国国内の新型肺炎感染の状況からは、まだまだ目が離せないということです。普通のインフルエンザでも急に感染が完全にストップすることはない。中国政府のアピールが過剰である可能性は否定しにくい。ウイルスと共存する「現実的な」対応を考えて、発信したらいいのに、と思う。