トイレ紙「蒸発」が映す物流ネック
日本経済新聞
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記事にある、トイレットペーパーが抱える構造的な課題、というのが興味深い。
①トイレットペーパーはかさばる上に安い
②卸売り倉庫では運転手が手積み降ろし、長時間作業に
③専門業者が少量多頻度配送
④店舗はかさばるので置き場にも限界。そもそも安いし。売れてもそんなに魅力無い
⑤集中的に買われると欠品が顕著に。
(以下本文抜粋)
物流が特にパンク状態に陥ったのは、卸から小売店へ運ぶルートだ。
化粧品やシャンプーといった日雑品に比べ、家庭紙は容積が大きい割に単価が安い「効率が悪い商品」のため、小売店へ多様な商品を混載して運ぶ「センター配送」から外れるケースが多い。このため家庭紙専門の配送業者が卸から小売店の店頭まで届けるのが一般的だ。
だが、受け取る小売店にはかさばる家庭紙を大量に保管しておける場所がない。専門業者は毎日店頭に「少量多頻度」で家庭紙を配送しなければならないが、都市部を中心にある膨大な数の店舗に一斉に運ぶのには無理がある。
店に届ける前段階にも課題がある。トラック運転手が物流倉庫で製品を自ら「手積み手降ろし」する商習慣だ。
配送効率を上げるため、2~4トンの小型トラックに隙間なく商品を積み込む必要があり、積み下ろし作業は20~40分ほどかかる。卸の物流倉庫に長時間トラックを横付けしておかなければならない。
全業種的にトラック運転手の不足が深刻化するなか、運転手の労働負担が重い家庭紙専門業者は運転手の確保が一段と難しくなっていた。働き方改革の影響で長時間の業務も抑制されている。大量に製品を小売店の棚に供給しようにも容易でないのはこうした理由だ。