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「日本やアメリカにとっては北朝鮮の核兵器が脅威である。しかし北朝鮮からすれば、在韓米軍や在韓米軍の核兵器が脅威である。金正恩は、自分たちにとって脅威である在韓米軍や在韓米軍の核兵器を縮小させることを目標としている」との指摘は、専門家が長い間、議論してきた論点のひとつ。この見解と逆の見解として、「北朝鮮は在韓米軍を歓迎しているかもしれない」という見解がある。つまり、在韓米軍が駐留していて、米韓軍事演習が続いてきた結果、軍事境界線は1953年以降、動かなかった。非武装地帯は緊張したままで南北対立は続いたままだけれど、北朝鮮の体制崩壊という現状変更の波をかぶらなかった。結果的に在韓米軍は金日成・金正日・金正恩体制の現状維持を保証する装置の役割を果たしてしまった。これは北朝鮮にとり歓迎すべき装置ではないか?北朝鮮は在韓米軍や在韓米軍の核兵器を縮小させることを目標としていないのではないか?このポイントを専門家が30年以上にわたり議論してきた。私が自著で書いた回答は「いや。やはり北朝鮮は在韓米軍の撤退を心底願っている。それは毎日、平壌発で発信しているとおり。ただし、それは米軍への恐怖心からではなくて、米軍と闘わずして軍事境界線の消滅に至る核兵器の戦略があるから」。