世界最大級の台湾洋上風力に参画 JERA、権益44%取得
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火力発電事業に多く寄与しているJERAが、再生可能エネルギーに本腰を入れ始めているのは、これまでも言われている通り世界的に脱炭素の潮流があるからでしょう。
JERAは現在まで、台湾、タイ、英国で、洋上風力発電事業を行ってきていますが。今回は発電容量想定計200万キロワットということで、これまでと一桁以上違う規模となります。
なお、深度が急に深くなる日本の海では、大型洋上風力発電の導入がしにくいとされており、なだらかな傾斜の大陸部分が続く台湾は比較的経済性が高いと期待されています。そもそもJERAが何者かよくご存じない方もおられるかもしれませんのでそこから。東京電力と中部電力が50%ずつで設立した、燃料事業と火力発電の会社です。
基本的にはCO2出す事業なのですが、世の中の低炭素化の要請が急速に高まったこともあり、また、海外の洋上風力は相当コスト(1kWhあたりの発電コストとしては)が下がったこともあり、2018年末に200億円を海外の再エネ投資に回すという発表していました。
アジアは欧州に比べて風の吹き方が一定ではないのですが、それでも洋上に出れば安定的な風が期待できますので、台湾海域は多くの再エネ投資家が注目していたところ。
日本は先ほどかいた通り、風の吹き方が欧州に比べると安定的ではないうえ、海底の地形が急峻というかすぐに深くなるので、欧州の北海海域などと比べると圧倒的に地形的に不利です。その上漁業権の問題などがあって、事業者さんが交渉に長い年月を費やさねばならないことなどもネックとなっています。
新しくできた「再エネ海域利用法」がどこまでworkするか、期待したいところですが。。
再エネ海域利用法についてはこちら
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/yojo_furyoku/index.html
追記:ちなみに「原発2基分」という表現も聞くのですが、設備の稼働率が違いますので。日本の原子力の稼働率は政治的あるいは司法的に止まったりしているので参考にならないので海外の例を持ち出すと、アメリカなどでは90%以上働きます。洋上風力だと風況に左右されますが、だいたい25%強というところでしょうか。