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2012年にソニー、東芝、日立製作所の中小型ディスプレイ事業を統合し設立。中小型パネルでは世界トップシェア。Appleが主要顧客。LTPS(低温ポリシリコン)液晶ディスプレイが強み。車載用や反射型、高精細ノートPC向け等、ノンモバイル分野における販売活動を強化。中国、台湾、フィリピンに海外製造拠点。
業種
パネル
時価総額
892 億円
業績
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勝ち筋が無いのは全くその通り。もはや、液晶パネルではBOE、天馬にコストで勝てないし、有機ELでも三星に勝つのは相当難しい。残念ながら、なんと昔から有機ELで技術蓄積してきた日本のディスプレイ専業企業なのに技術の蓄積が無い。東芝も日立も技術開発を諦め、ソニーに至っては液晶パネル事業は譲渡したが、虎の子のスーパートップエミッション有機ELパネルの技術は渡さなかったのだ。このことはもっと語られてもいいはずだが、意外と指摘する人はいない。ソニーの技術は結局自社の放送局向けパネルにのみ活用されている。
LGもBOEも今のところ、スマホ向けは低歩留りでうまくいっていない。勿論Appleはマルチサプライヤーにしたいはずだが、今のところiPhone向けでJDIには打順は回ってきていない。iPhone向けディスプレイは今のところ、4社購買になったことはない。
いちごが出てきたおかげで救われたところもあるが、むしろ逆に清算できなかったとも言える。明日にでも閉めた方がいい工場は白山以外にもまだある。鳥取、東浦だ。勿論そこでしか出来ない仕事もあるが、液晶パネルの仕事はそういうことではない。量を追いかけなかったとしても限られた条件下では効率勝負、コスト勝負の世界である。
反省についてはもう少しはっきりとして欲しい。具体的には関与していた経営陣が誰か、社員は寝覚も悪いだろう。なにせ税金投入された国策企業なのに粉飾した上にその後に関わった人が死んでる。詳しい調査結果は早く開示してもらいたい。この反省無くして再出発無しだろう。
多くの方が気になっているであろう
・有機ELスマホが増え、液晶が消滅する懸念はないのか
・経営危機の元凶と言われる、白山工場を巡るシャープとの交渉
・白山工場をはじめ、過去の失敗からの決別
・元社員の自殺など、昨年末からの一連の出来事
・JDIはどんな企業を目指しているのか
といった疑問に答えてくれます。
これまでも菊岡社長のインタビューはありますが、今回、NewsPicksのオリジナル記事として、JDIの「懸念・課題」、「残された強み・将来性」の双方について、
・できるかぎり網羅的に
・できる限り50:50と公正な内容に
そう心掛けました。
まだまだ課題が山積みの同社ですが、等身大のJDIを読み解くことで、広く産業界の参考になれば幸いです。
ただ例えばOLED化が1プレイヤーしかいなくてメリデメあるから思ったほど進まない、と言われながらここまで進んできた(トップモデルしか普及しなかったが、それでもSamsung以外でここまで広がるとOLED搭載の動きが出たころには想定もされていなかったと思う)。
液晶もOLEDもあると、体力でも厳しいし、他社はずっと長く量産含めた経験を積んでいる。ゲームチェンジャーとなる技術で一気に情勢が変わることもあるが、量産における経験値の差は現実としては大きい。
日東電工でのご経験について話されているが、日東電工が偏光パネルでトップシェアだったり、液晶メーカーとしてもRoll to Rollの設備を自社工場に入れるメリットがあるからできた戦略もあったと思う。パネル業界は部品として完成させるのが基本線で、その違いがある中で設備投資を大きく負わずに事業を伸ばせる事業形態にできるのか。あとはOEMという文脈では、技術協力が背景で半導体・液晶の技術が韓国などに流れていった過去の歴史もある…
外からは想像できない苦しさがあるでしょう。
またパートナーとの依存関係についても、やはりどこかに依存性が高まる事は強固にしていくというメリットがある一方、ゲームチェンジが起きたときのリスクも高くなる。
リーダーは常に変化を正しくキャッチアップし、
正しい舵きりが求められます。
JDIが設備投資をしないなら、どこかが資金を出さないといけない。設備投資をしてもらえるだけの実績はあるのかな。全体を通して、楽観的なのが気になる。OLEDでシェアの高いSamsungの方が危機感ある様な気がする。
“だから、(1社依存ではなくて)いろんなお客さんを捕まえるのはもちろんですが、当社が大きな設備投資負担を負わずに事業を伸ばしていくビジネス形態にしようとしています。それができれば、液晶もまだまだ技術を磨いていけるはずだと考えています”