【入門】ウイルスのはなし
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ウィルスの厄介さをわかりやすく丁寧に解説した良記事です。ウィルスの病気である風邪に、細菌に対する薬である抗菌薬が投与されるというよくある光景が、全く理にかなっていないことも、これを読むとよくお分かりいただけるのではないかと思います。
補足ですが、この新型コロナウィルスに対しては、ワクチンの製造自体はすでに成功している企業も出ており、現在動物に対する投与を行う段階まで来ています。あと3ヶ月以内にはヒトに対する試験が開始される見込みです。
また、治療薬については、試験デザインを度外視すれば、世界中で80以上の試験が進行または計画中です。
これらのうち、例えば当初エボラ出血熱に対する治療薬として開発されていたremdesivirは、中国及び米国で臨床試験が開始されており、中国では4月にも試験が終了する予定です。治療効果が認められれば、早ければ5月にも中国での承認の動きになる可能性があります。
この速さは過去には信じがたいほどのものです。ご参考までに、SARSの際には、患者が発生してからワクチンの開発自体までに20ヶ月ほどを要しており、いかに科学の進歩するスピードが速いかを感じられます。
参考文献(Time): https://time.com/5790545/first-covid-19-vaccine/?utm_source=facebook&utm_medium=social&utm_campaign=editorial&utm_term=health_&linkId=83035300
参考文献(Nature): https://www.nature.com/articles/d41586-020-00444-3#ref-CR3細菌とウイルスは混同されやすいですが、記事にあるように全く別物です。細菌は自分自身で増殖することができ、治療には細菌に特有な構造(細胞壁など)を標的にした「抗菌薬」が用いられます。一方でウイルスは人間の細胞に入り込んで増殖するという特徴をもつため、治療しようとすると正常な人間の細胞まで壊してしまうことから、抗ウイルス薬は開発が難しかった歴史があり、開発された薬も副作用が多かったりします。
新型コロナウイルスに関しても、国内で重症化した患者の何名かには抗HIV薬であるカレトラが使用されていますが、下痢などの副作用が強く、中止せざるをえない場合もあるようです。
結局のところ戦うのは自分自身の免疫細胞なので、しっかり食べて睡眠をとり、疲れをためないように。
多くのワイドショーと違い、聞くべき人に取材しているNewspicks、さすがです。岡部先生の下記の記事もわかりやすいです。
学校休校は専門家会議「完全スルー」で決まった、社会不安を生みかねない
https://newspicks.com/news/4685732生物の授業で使えるくらい分かりやすい解説。
大事な要点は、
・ウイルスと細菌は全く別物。風邪の多くはウイルス感染なので、抗生剤無効。
・感染を予防する『ワクチン』も、感染後の治療のための『抗ウイルス薬』も、開発は大変だけどウイルスによっては開発されており、医学の進歩の賜物。
この機会に、感染自体を予防できる『ワクチン』がいかに人類を守ってきたかも多くの人に知ってもらいたいです。
特に、
・小6~高1の女の子→HPVワクチン
・1962~1978年度生まれの男性→風疹の検査・ワクチン
が無料で受けられますので、該当の方はぜひ。
風疹については、自治体によってはもう少し若い年代にも助成だしているのでご確認下さい。