モルガン・スタンレー、Eトレード買収へ-株式交換で130億ドル
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ゴールドマンが個人オンラインバンキングを起点に、アップルカードの裏方をやったり、Amazonの中小企業融資の裏方をするという報道など、GAFAの金融事業に入っていく姿勢や日本でプライベートバンキング再開などの動きから個人向けサービスの金融プラットフォームになろうとするのがわかります。シティはグーグルと組むと報道されてますね。
モルガン・スタンレーはどう動くのかなと思いきやイートレードとは。これまでも個人向け証券ディーンウィッター、スミスバーニー、クレジットカードのディスカバリーと一緒になったことがあり、最近だとカナダの富裕層向けサービスのソリウムを買収してます。全てがうまくいったわけではないですが、買収/合併で生き残った歴史を考えると今回もその方向なのかなと。ゴールドマンやモルガンスタンレーの筆頭株主である三菱UFJのグラブへの出資ほどは大胆な動きではないですが。
もちろんロビンフッドを起点とする手数料無料化の波で、大手チャールズシュワブがTDアメリトレードを買収したことでイートレードも焦っていたと思います。
そちらの解説はこちらでしています
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO54533830X10C20A1000000古巣の身びいきをするつもりはないが、シンプルに
モルガン・スタンレー、Eトレードの双方にとって
win-win のディールだと受け止めている。
( E*TRADE は5.2百万口座で$36兆ドルの顧客資産。これがモルガン・スタンレーの既存3百万のリテール口座に加わる。モルガンからすれば顧客の裾野は2.7倍に拡大する)
このディールで何より重要なのは、主要ネット証券で
市場シェアが最も小さいEトレードですら企業価値を
算定すると1兆円を軽く超える水準になっているということ。
デジタル金融ビジネスの存在は、もうそのくらいに
なって来ているということを理解すべき。
個別のディールの良し悪しより、今やその事実の方が
よっぽど大事だと思う。
なお、モルガン・スタンレー側からのリリースはこちら。
https://www.morganstanley.com/press-releases/morgan-stanley-to-acquire-e-tradeE*Tradeは昨日の終値で時価総額約100億ドルなので、プレミアムはちょうど30%。
米国は、Charles SchwabがTD Ameritrade買収を昨年11月に発表(①)。②はそれの観測時のPickだが、Robinhoodのような手数料無料化から業界全体が価格競争に入っている。そしてE*Tradeはネット証券のなかでは下位で、その報道時にも取り残されということで株価が下落していた。
あまり米国のモルスタのリテールの状況を知らないのだが、セグメントを見る限り元はSmith BarneyだったMorgan Stanley Wealth Managementがあって、収益・利益それぞれ前者の半分くらいを稼いでいる。ただあまりネット証券でバリバリ競争しに行くイメージを持っていないのだが…
手数料競争やそれを要因とした再編はネット証券に限らず、米国のリテール金融全体で起こっている。昨夜はFranklin ResourcesがLegg Masonの買収を発表(③)。
①https://newspicks.com/news/4412972
②https://newspicks.com/news/4403973
③https://newspicks.com/news/4651005