【尾崎容子】正しい人生じゃなくていい。その人らしく好きに生きて
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連載「シゴテツ -仕事の哲人-」、訪問診療医・尾崎容子氏の第6回です。
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高齢化社会日本。2025年には年間150万人以上が死亡し、ピークとなる2040年には168万人が死亡すると予測される。介護や看取りは他人事ではない。そして、自分自身もいつかは迎える「死」。
もう積極的治療は難しく余命を考えるようになった時、あなたはどこで最期の時間を過ごしたいだろうか。
訪問診療医の尾崎容子氏は、人生の終末期を自宅や施設で過ごす人を支え、多くの人を看取ってきた。最期までその人らしく過ごせるように寄り添い、支える家族や周囲の人に「看取り勉強会」を開く。
「知らないことで不安になる。身体の弱りや死について、きちんと知識を持つことで不安は減ります」と語る尾崎氏の看取りのあり方とは。(全7回)取材をしました岩辺です。6回目も読んでいただきありがとうございます。
近い距離にいるからこそ、解消しきれない悲しみや怒りやわだかまりを持つ人は多くいると思います。最期だからと言って全て許せなくてもいい、という尾崎先生の言葉は私の胸にとても響きました。それぞれの問題を抱えた家庭や人間関係があり、家族がいても「会いたくない」と貫いたまま最期を迎える方もいるそうです。でも、「それがご本人の意思ならばそれでいい」というのが尾崎先生の考え。その人の事情や思いは、周囲には窺い知れないものがある。
今回の記事を読んで、少し楽になった方がいたら幸いです。死を迎えようとしている弱り人には、その人の好きなようにさせてあげること。自分がそういう状況になった時には、そうしてほしいと思います。
必死で死の淵から引き戻そうとしてくれる医療にはありがたさを感じるものの、もういいよ、と。
そんな時に、「今さらやめても寿命は変わらないよ。その代わり、一服一服をおいしいと思って吸ってください」という言葉をかけらると、元気がでそうです。