“ノーベル謝罪賞”ものの「正しい謝りかた」のポイントは?
コメント
注目のコメント
これを参考に後から実験する人のためにもなるので、間違ってましたと正しく報告することは誠意ある対応だと思います。
確かにリプが感謝と称賛であふれていますね。関係ないですがツイートに返事してる人を眺めていたところ顔出し実名(?)の多さに文化の違いを感じました。
ところで何を間違えたんだろうかと。
✩論文『Site-selective enzymatic C‒H amidation for synthesis of diverse lactams』
https://science.sciencemag.org/content/364/6440/575
✩取り下げ(Retraction)概要
https://science.sciencemag.org/content/367/6474/155.1
【経緯ざっくりまとめ】
・酵素を用いた位置選択的C-Hアミド化に関する論文
・改変チトクロームP450酵素を用いると、エナンチオ選択的にC-HからC-N環化反応を誘導でき、様々なサイズのラクタムを形成できると報告していた
・が、当初報告した結果が再現できず
・実験ノートの記載ミス (←事情に詳しい方いらしたら教えてください)
とのことで。
ラクタムというのは環状アミド化合物の総称です。このラクタムを核に持つ化合物の中には高い生理活性を示すものが多く、医薬品、特に抗生物質※を設計する上で重要な構造です。歪みが大きい上、立体的な構造のため、有機化学の手法で作るのは一般的に簡単ではありません。酵素反応を活用して効率良く作る方法は実用化が望まれる技術だと思いますので、今回は再現できなくても、またチャレンジして欲しいです。
※βラクタム(4員環、真四角の分子構造)を持つ化合物で有名なのはペニシリン、カルバペネムなど頭ではわかってるし人様のことなら偉そうに何とでも言えるけど、自分がそういう状況に置かれると冷静になれず、ついつい言い訳してしまうのが大多数の人間なんだな、僕含めて。