検疫官含む40人新たに感染 クルーズ船、重症者4人
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注目のコメント
クルーズ船内の感染拡大について、私なりにまとめました。私見も含まれますので、一つの考え方ということで、あくまで参考にとどめていただければと思います。
1、まず集団隔離というのは、隔離されたエリアの外を守るための策であり、隔離されたエリア内の感染拡大リスクはむしろ高めてしまう可能性が高いという前提があります。限られた空間での集団隔離を決行した時点で、リスクはある程度避けられないものであったと思います。
2、このリスクに応じるため、全乗員・乗客、特に食事を運ぶ業務を担当するクルーなどに対し、接触・飛沫感染予防策の指導が十分行き届けられるべきでしたが、「隔離」という意見ばかりが先行し、肝心の感染予防策の指導が行き届いていなかったのは間違いないでしょう。また、そもそも医療従事者レベルの接触感染予防策を求めることすら、酷であったとも思います。
3、厨房などで働くクルーは、東南アジアの発展途上国やインドの方が大多数を占めているようです。これらの方に、前提としてしっかりとした手指衛生の教育が行き届いていたかにも疑問が残ります。特に、このように感染のアウトブレイクが生じた特殊な状況への対応を望むのはあまりにも酷だったでしょう。
4、クルーは同じ空間内、共有スペースで隔離をされていることが報告されています。仮に乗客がある程度個別に隔離されていたとしても、クルー同士の感染拡大は容易に起きうる環境です。そしてそれらの方が「個室隔離」の乗客へも食事を運んできたのだと思いますから、接触感染による感染拡大のリスクはどうしても高まります。
5、空気感染、エアロゾル感染といった言葉を紐づけた意見が各所で見られますが、今回のケースでそれらの感染経路が関与した可能性は極めて低く、あくまで従来の接触・飛沫感染予防策の徹底の不十分さが招きうる事態と考えます。また、この状況の特殊性は、チャーター便(飛行機)の置かれた状況には外挿できず、大きく異なるものと考えます。
いずれにせよ、今回の経験は、必ず詳細に分析を行い、今後の教訓にすべきです。
引用文献(英文):
https://www.nytimes.com/2020/02/10/business/coronavirus-japan-cruise-ship.html?referringSource=articleShare感染拡大については山田先生のコメントに譲り、別の視点から。
そもそも、このクルーズ船はたまたま横浜に寄港したタイミングで問題が発生したために、乗船者たちは日本に帰国するわけではないにもかかわらず、日本が対応している中で、
日本の医療関係者や検疫官が危険を冒して対応したり、
日本の病院が患者さんの受け入れをしていて、
相当な国際的貢献をしていると思う。
新しい感染症に対して誰も正解は持ちえないし、
日本だけでの問題ではないから、対応についても国際的に協議しつつ、
現時点でのベストと思われる対応をしている、ということを、
日本政府もメディアも自負してよいと思う。
現場で奮闘してらっしゃる方々のためにも。テレビのワイドショーのコメンテーター、いろいろ人がいるけど、すぐ政府批判をする傾向は否めない。
昨日なんか、医療関係者をもっと船に乗せろとか簡単に言うし。報道もニュートラルではなく煽りが多すぎ。
緊急時、混乱を広げるのはテレビじゃないかとも思ってしまう。