19年の旅行収支、黒字額が最高 新型肺炎、中国客減で先行き懸念
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2019年のインバウンドは、ちょっと特殊な年でした。
旅行消費額というのは、「出発国から日本までの距離」と比例するんです。
遠い、欧米各国(飛行機で8時間以上かかる)からくる旅行者は、「遠いところをせっかくきたから」ということで日本に長期滞在なので、結果として、日本滞在中の消費額が大きくなります。
反対に、近い、例えば韓国(飛行機で2時間程度)からくる旅行者は、「気軽に何度も来られるから」ということで、日本に短期滞在なので、結果として、日本滞在中の消費額が小さくなります。韓国は、インバウンド旅行者の中で最も短期滞在で、約3日しか日本にいません。香港・台湾は1週間、中国本土は10日間いるのに、です。(ま、日本人も、韓国旅行は週末にも出かけるので、お互い様ですが、、)
2019年は、ラグビーワールドカップ開催により、前者のお客様が、欧米各国から多く来て増えました。 と、同時に、日韓両国の関係性悪化により後者のお客様が、LCC減便なども相次ぎ、とても減りました。
消費額が大きい地域からの来訪が増え、消費額が小さい地域からの来訪が減り、全体の人数は伸びたので、こういう結果になりますよね。2019年の訪日外国人消費動向は7年連続の増加で4.8兆円に。
中国がもっとも多く1.8兆円(全体の37%)、台湾が5.5千億円、韓国が4.2千億円、香港が3.5千億円、アメリカが3.2千億円で、これら5カ国で7割を占めています。
1人あたりではオーストラリアがもっとも高く24.9万円、英国、フランスと続いています。
私は訪日台湾人を対象にしたサービスを展開していますが、台湾の全人口は約2378万人で、そのうち476万人(2018年)が毎年訪れる親日の国ですね。
今年はオリンピックでまた増えることや、日韓関係の悪化、コロナウィルスの関係などまだ2ヶ月で様々なことがおきてますが、今年はどうなるのかな。まあ、昨年のインバウンド消費すなわちサービス輸出は4.8兆円でしたが、うち中国人だけで1.77兆円を占めてました。
このため、例えばここが半減とかしてしまうと、それだで0.9兆円近い旅行収支黒字の縮小要因となります。