マイクロソフト、オラクル、SAP、IBMらメガベンダーとの契約交渉術、ガートナーが指南
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日本ではありませんでしたが、米国側ではガートナーの調査により、「このくらいのライセンスを購入している企業は、このくらいの値引きを得ている」というような実勢価格に関するレポートが出て交渉を求められるケースがありました。実際は顧客によってさまざまな条件や利用方法が異なるという場合があるので、一律には扱えない事が多いわけですが、ベストプライスを得ようとするだけでなく、ベンダーの協力を得るための関係構築は購入側にとって意識すべきポイントだと思います。ギリギリ搾り取るみたいな交渉をしたり、「自分たちでできるから導入支援は不要。その分コストを削る」という言い方をされるとベンダーの足が遠のくのは、相手も人間なので十分あり得得ることです。
それより大切なのは大手企業であればあるほど、自社でどの製品をどれだけ利用しているのか把握していないというケースが多い事で、事業が多岐にわたるケースはもちろんのこと、海外拠点となると情報を掴めていないケースも多いと思います。特にこの10年くらいはSaaSの登場でITを通さず各LOBでの導入が増えて、余計にその傾向が強まっている気がします。
ベンダー側の優秀な営業は、顧客の代わりにこれらの情報を集めて整理することによって、エンタープライズ契約の提案をするわけですが、顧客側がこの情報を把握し、主導権を握っておくことは重要だと思います。PEのVista Equityが昨年買収したApptioという会社は、自社のIT資産・予算管理についてオンプレミスの情報はもちろん、IaaS/PaaS製品などの利用状況なども総合して管理を行い適切な投資が行われているかを判断するツールを提供し、米国ではTBM (Technology Business Management)という新しいカテゴリを作ろうとしているようです。発注側も受注側も経験しましたが、1番のコスト削減は早く見極めて最適なチームを組む事。細かい値下げ交渉、特に1番お互いのモチベーションを下げるのは「このくらい下げたんだからもっと下げられるだろう」と言うスケベ心。百害あって一理なし
“交渉に臨む組織体制を整えた上で、次に重要になってくるのは競争環境を生み出すこと。”
日本企業では、パッケージをカスタマイズし過ぎていたり、製品固有の機能を使い過ぎていたりで、ベンダー・ロックインされてしまっているケースが多いです。他の製品に乗り換える選択肢を(ポーズでもいいから)見せることができれば、価格競争の土俵に乗せることができるんですが。構築をベンダー丸投げしてしまっているケースも多く、そのような内情までバレているので、ハッタリもききません。
知人の企業では、Oracle製品の保守を第三者保守に切り替えて、かなりの経費節減に繋げました。メガベンダーがさかんに、クラウドやサブスクリプションに切り替えたがる一因に、保守契約を切られてしまい、継続して売上を上げることができなくなるのを防ぐというのもあるでしょうね。