【独自】ヤマダ・ビックカメラが「Paidyで詐欺」に使われた理由
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ペイディのような後払いには、世界中で投資資金が集まっている急成長分野です。この後払いサービスは、Buy Now, Pay Laterの頭文字をとって「BNPL」と呼ばれています。
急成長している理由は、若年層のクレジットカード離れ。米国のミレニアルズでクレジットカードをもっている人は半数しかいません。でもデビットカードはもっている。
欲しい商品があった場合、銀行に残高がなくてもBNPLなら購入できる。デビットカード利用者も利用できるのでBNPL利用者が増えている、というわけです。
本人確認なしで与信するというのは、クレジットビジネスでは考えられないことなのですが・・・・。早期に問題を解決し、利便性が高く、健全な金融サービスになるよう期待します。恣意的な記事です。
記事では無理やりヤマダ電機やビックカメラが苦しいから、本人確認ができないと結びつけていますがおかしな話です。
マネロン対策が全く分かっていません。
まず、これは違います。
「FATF(マネロン対策等を扱う国際会議)では、日本はマネロン対策が最も甘い国だと指摘しており」
日本はマネロン対策において、実態としては行き届いていないのは確かですが、最も甘いブラック国ではなく、グレー国にも入っていません。
また、ヤマダ電機とビックカメラについて、Paidyを初めから使えるのは甘く、アマゾンは何かを購入しないと使えないから対策をきちんと行っているとありますが、これも違います。
アマゾンで安いものを1回購入して、送り先等を変えることはたやすいです。対策をきちんと行っているとは言えないでしょう。
ヤマダ電機とビックカメラがECで出遅れているから、このような結果を生んだとか、メルカリの手続きがいけないとありますが、これも筋違いです。
そもそも、犯罪収益移転防止法では、マネロン対策をしなければならない業種は決まっています。小売はその外におり、今回の登場人物でマネロン対策を果たさなければならないのは、Paidyであり、他の企業はその必要がありません。
お店でものを買うのに一々本人確認されて嬉しい人はいません。ECで必要なのは届け先の確認と決済可否の確認です。
マネロン対策を怠っていたPaidyが法令違反であり問題なのです。
ヤマダ電機やビックカメラやメルカリでは防ぎようもありません。
ちなみに、アメリカの若者がPaydyのようなサービスを利用するのは、クレジットカード離れしているのではなく、審査に通らず、クレジットカードを発行できないのです。
クレジットカードを発行する銀行グループにはバーゼルIIIが適用されており、クレジットカードの与信枠の分、自己資本が必要となります。ですので、銀行としては余分なクレジットカードを発行しない方が自己資本を積み増さなくて良いので、審査を厳しくしています。年末に巨額の資金調達を行ったPaidyを利用した詐欺事件。
国際色豊かなチームで、支払いを手軽にするフィンテック企業として期待度が高いので、脆弱性が見つかった今後の立て直しはどうするのかな。
とはいえSMS認証で本人確認完了というのはやや無理があるように思えます。Amazonだと購入履歴がない場合や新しい住所だと認証の再確認があるので、詐欺防止対策が必要そう。