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【ポイント解説】トランプ大統領の中東政策を理解する4つの疑問

NewsPicks編集部
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  • 暦オタ・ガジェオタ・ミリオタ・時々謎のPro Picer

    トランプ大統領の政策は馬当たり的で一貫性がない、というのはよく言われることですが、これでは何を考えているのかよく分からないと言っているだけで、何も分析したことにはなりません。
    私の基本的な見方はトランプ大統領は一見して脈絡のない機会主義者に見えて、実際に俯瞰してみるとその打ち手は首尾一貫した原理主義者だということです。
    ただ打ち手が早く、予期せぬタイミングで打ってくるため、一見して何も考えずに場当たり的におこなっている様に見えるだけです。
    ある意味トランプの政策は場当たり的と分析している時点で、何をしてくるか分からないという心理的なプレッシャーを相手に与えるトランプ流ディールの術中に嵌っていると言えるでしょう。

    さてアフガン戦争以来12年に渡る、アフガニスタン、イラクへの派兵費用は間接費も含めて既に6兆ドル(600兆円)に達していると推定されています。
    海外に派兵されているアメリカ軍は、軍属も含めて45万人にも上り、その負担は単に軍事費だけでなく、帰還兵の社会的精神的問題も含めてアメリカ社会の重荷になっています。
    トランプ大統領の基本姿勢は、金のかかる海外派兵を可能な限り最小限にする一方、長期的なアメリカの経済覇権を維持するためのカードとしてのみ軍事力を行使するというスタンスで、これはアメリカの国益を考えた時理にかなった政策です。

    となると、アメリカにとっては無闇に手を広げるのではなく、核心的な同盟国や勢力のみにミリタリーリソースを貼るという戦略となりますが、その先は中東でいえばイスラエルとサウジともう一つクルドです。
    ここでいうクルドはシリアのロジャヴァではなく、イラクのクルディスタン自治区です。(因みにこの両者は同じ民族ながら非常に仲が悪い)クルディスタンの首都アルビルはアメリカが中東に打ち込んだ楔であり、ここさえ保持していれば後はなんとでもなります。
    アメリカがIS戦争に介入したのも、イランに軍事力を行使したのも、これらの勢力がアルビルに接近した時でした。
    逆に言えば核心的な権益に手を出さなければトランプは動かないわけですが、イランは知らず知らずのうちにトランプの虎の尾を踏んだとも言えるかもしれません。


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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    トランプ大統領は「もうあんなところからは手を引こう」と言って当選しました。ただ、米国というのは大統領が全てを決められる国ではないので、まだイランと対決したい米政府高官もいます。米国が撤退すれば、中東がロシアの庭になるのを懸念する外交関係者も多いです。サウディアラビアやイスラエルはビジネスの利益もあります。トランプ政権が確固たる中東政策を示せないのは、米政府内の意見がバラバラだからです。 
     米国の中東政策というのは古くからあったものではなく、1970年代から場当たり的にその場その場でつくられてきたといえます。1948年のイスラエル建国も、中心で関わった国は英国でした。中東は元々英国とフランスの庭でした。サウディアラビアも、当初の後ろ盾は英国でした。米国は無関係でしたが、英国に国力が無くなり、米国が英国の外交的遺産を引き継がざるを得なくなったというのが実際のところです。
     中東への理解の薄い米国にとって、1979年のイラン革命や、米国大使館占拠事件は青天の霹靂でした。英国の跡を継いでイランの王政を支援していただけなのに、なぜそんなに憎まれるのかわからなかったのです。不当に攻撃されていると思ったので、米国の外交関係者もイランを憎むようになりました。
     その後のアル=カーイダなども、なぜ米国が攻撃されるのか、米国人には訳が分かりませんでした。米国は、英国やフランスと違って地域研究の伝統が乏しいのに不相応な国力を持ち、世界各国に関わらざるをえなくなった国です。そして、不必要にたくさんの敵をつくりました。イランもターリバーンも、別に戦わずに米国の勢力下に取り込むことは十分可能だったのです。
     2001年になって米国の明確な中東政策が示されました。イラクやアフガニスタンを占領して、民主的な政権をつくればこの地域の問題は解決する、といういわゆるネオコンのつくった案です。米国には、楽観的な性善説があり、世界中の人々は米国が大好きなはずで、少数の悪い独裁者や宗教原理主義者が押さえつけているはずだ、という前提があります。
     イラクは、選挙をやったらイランに育成されたシーア派軍事集団が第1党、第2党になる国になりました。アフガニスタン政府はターリバーンに勝てず、腐敗の極みです。結局、悪い独裁者を倒したら民主的な親米政権ができる、というのは幻想だとわかり、トランプ大統領が登場しました。


  • NewsPicks 記者

    塩崎先生のコメントが納得感満載!
    記事と合わせてお読み頂きたいです。

    ---

    イランとイスラエル・サウジアラビアは今も代理戦争を続けています。

    10年前、対米強硬派のイラン・アフマディネジャド大統領(当時)がイスラエルとの対立を巡りアメリカにこんな事を言っています。
    「あなたたちはイランから1000キロほどのところに武装した民族(ユダヤ人)を送り込み、パレスチナ人を退去させて国家(イスラエル)を作った。そして数百の核兵器を与えて今も支持している。なのに『将来、イランが1発の核爆弾を持つ可能性があるのだから、今から止めないといけない』という。矛盾しているではないか」
    アフマディネジャド氏はもう表舞台にいませんがイスラエルに対するロジックは今もこんな感じでしょう。

    イスラエルは3月にもに議会選挙が予定され、「強硬派」ネタニヤフ首相の時代が終わるとの観測もあります。ネタニヤフ氏はそもそもイランなど「対話」のできる相手ではないという前提でアメリカに働きかけを行い、支持を求めてきました。

    一方、「次の首相」の呼び声高いガンツ氏は「ハメネイ師は理性がある」と発言するなど「イランとの対話」を打ち出しています。
    正直、スポーツの世界大会でイスラエル選手と対戦することすら許さないイランが「対話」に応じるとは到底思えません。
    しかし、「イラン=対話ができない悪魔」というイスラエルのロジックが変わる可能性があるのです。

    個人的にはそうなった時、改めてトランプ政権がイスラエルを中心とした中東の関与をどう捉えるかに非常に興味があります。


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