米大統領、報復なら52施設攻撃と警告
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注目のコメント
コメントにもあるように52箇所というのはカーター大統領時代のテヘラン米大使館人質事件との語呂合わせ。
つまり完全に国内向けのアピールですね。
実際にはペルシャ湾にいるアメリカの空母はハリーSトルーマンだけで、陸上兵力はイラクとクルド自治区にいる第25師団他5000人のみ。
トルコとの関係悪化でインジルリク空軍基地は使えないので、バーレーンの第5艦隊司令部、カタールのアルウデイド空軍基地、クウェートのアフマド・アル・シャービル基地、UAEのアル・ダフラ基地が実際に使用できる戦力ですが52箇所を一斉攻撃するには戦力が足りません。
つまり強気な言葉とは裏腹にイランの出方次第とはいえ、アメリカとしては今のところは本気でやりあう気はないということです。
一方でイラン側はアメリカとまともに戦っても勝ち目がないので、イラクのPMU(人民動員軍)や神の党旅団(カタイブヒズボラ)、レバノンのヒズボラなどを動かして非対称戦に持ち込み、同時に親イランのアバディ政権に働きかけて、イラク国内のアメリカ軍を追い出し、攻撃の正当性を失わせる作戦に出るのが定石だと思います。
以前にも触れましたが、(https://newspicks.com/news/4510939/?utm_campaign=np_urlshare&utm_source=newspicks&utm_medium=urlshare&invoker=np_urlshare_uid434633)
次はイランのターンで、まずイラク国民議会でアメリカ軍撤退決議がなされて、その対応如何でPMUか神の党旅団が駐留米軍を攻撃、という流れが1番現実的なシナリオです。
それに対してアメリカがどう対応するかで、イラン革命防衛隊が直接攻撃を行うかどうかが決まってくると思います。このツイートでトランプ大統領は、「イランの重要な文化遺産を破壊する」と書いていて、党派を問わずイラン人の相当な反発を招いています。イランには22の世界遺産をはじめ、3千年以上の歴史を持つ文化遺産が数多くあります。
「52」という数字は、1979年のイラン革命の際にテヘランの米国大使館が占拠され、米国の外交官ら52名が人質になったからですね。象徴的な数字で、それ以上の意味はありません。
イランはこれから米国とその同盟国に対して、中東各地で攻撃に出るでしょうが、どこまでやるかは、米軍の反撃の規模を予想しながら決めることになります。
イランの最高戦争指導機関である国家安全保障会議は、昨日以下のことを決議しています。
・反撃は(中東)地域全体で行う
・(スライマーニー司令官らの)殺害は、背教宣告主義者らに責任がある
「背教宣告主義者」というのは、サウディアラビアのワッハーブ派のことをいいます(自分たち以外の教義は正統ではないとして、特にシーア派を攻撃してくるので)。
イランの戦略目標は、まずイラクから、できれば中東全域から米軍を撤退させることでしょう。そのためには、ミサイルによる攻撃や、指揮下にある各国の武装組織に米軍を攻撃させるだけではなく、世論の煽動やサイバー工作など、あらゆる手段を駆使してきます。
まず、本日緊急招集されるイラク議会で、イラク政府と米国の米軍駐留協定破棄を決議させる、というのが第一のステップになります。イランの軍事力が動きだすのはその後でしょう。"... those targets, and Iran itself, WILL BE HIT VERY FAST AND VERY HARD."(Twitter原文より抜粋)
誰にでも分かるように書いているのでしょうが、内容は元より全て大文字で脅すなんて大統領のコメントとしてはあまりにも幼稚ではないでしょうか。小学生の喧嘩でもあるまいし。。