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「数理」「数学」「理数系人材」など、似たような用語が乱立している。

p.2の注で、

>ここで言う「数学」は、純粋数学、応用数学、統計学、確率論、さらには数学的な表現を必要とする 量子論、素粒子物理学、宇宙物理学なども含む広範な概念

と書かれているが、確率・統計学から量子論(量子力学+量子場理論)から素粒子・宇宙物理までを「数学」と呼んでしまうのはいささか広すぎる気がする。

科学と言えば現代では「自然科学」を指すが、数学は一般に自然を対象としないので自然科学ではなく、形式科学と呼ばれる。STEMでも科学と数学はわざわざ分けられている。従って、「(自然)科学部」には数学は原理的に入らないが、日本には便利な「理学部」という名前があって、理学は自然科学と形式科学を合わせた概念と見做され、即ち数学を含む。

数学、物理、情報科学の世界に顔を突っ込んでいる私からすると、世間の人は「数式」や「数字」が出てくるとすぐに「数学」だと思ってしまう嫌いがあるが、それはアルファベットが出てくるから英語だと言っているのと同じで、殆ど意味をなさない。

この様な論調が出るのは、数学が苦手な人には物理も情報科学も同じなの理解できないのと、どうやらAIの開発には数学が大事らしいと信じられていることが理由の様だが、確かにAI開発の基礎には線形代数や微積といった基礎的な数学がツールとして使われるが、それは数学科というより数学科以外の理系全般の必須科目で、現代理学における読み書きのレベルの数学だ。

また、深層学習の研究を数学的に解析する研究が盛んだが、どちらかと言うと情報科学の分野に近い。そして最近ではむしろ物理学(統計力学)が益々重要である可能性がわかってきている。元々数学より現実のものをデータで扱う物理学者の方がAI開発にむいている。

(ちなみに数学とそれ以外を分けるものは、無限の取り扱いの有無)

また、物理の根幹である量子論は数学というより情報科学。数学者より物理の分かる情報科学者が必要。

数学が苦手でない人材が高く買われる時代は歓迎するが、数学がお金儲けのツールとして評価されることで、儲からない数学が益々肩身が狭くならないか心配している。

参考

「数理のチカラ、僕らの未来」番組収録後インタビュー:大場紀章
https://newspicks.com/news/4510859/