Netflixのアニメ強化は、2020年も止まらない
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Netflixで注目したいのは、この記事でいう「グローバルチーム」の混成が急速に進んでいることですね。日本のアニメスタジオを「囲い込んでいる」だけではなく、米国、フランス、そして中国などとのスタッフ交流、制作提携がNetflixの主導によってドンドン進められています。たとえば、制作中の『エデン(伊甸)』は、監督は入江泰浩氏ですが、背景美術監督は中国アニメ『功夫料理娘』で名を挙げた無言氏です。
日本のアニメ界で何が起きているか、ですが、
1.制度的限界
広告代理店とテレビ局が元締めとなる制作委員会システムの予算的限界です。つまり、元締めが「中抜き」することで、実際に制作するアニメスタジオに下りてくる予算が非常に限られ、労働環境が過酷、かつ低収入になることです。予算の財源はテレビCMですが、それも収益が下がる一方です。
入江監督は、この現状を非常に憂えていた人です。「クールジャパン政策」を掲げる日本政府によるアニメ業界への支援を長らく提言されてきましたが、結局、Netflixとの提携に活路を見出されたようです。
2.国内市場の縮小と海外市場の急伸、中国のアニメ制作水準の急向上
日本のアニメ市場は2014年をピークに縮小を続けており、海外への売り上げは急伸しています。
海外への営業は必須だったのですが、結局、日本の広告代理店とテレビ局は、あまりにも頼りになりませんでした。海外で売らなければならないのに、それをしてくれるのは日本企業ではなく、Netflixなどだけであったということです。
日本アニメの海外市場として圧倒的に最大なのは、中国です。中国では、予算削減の続く日本アニメ業界を尻目に、政府の莫大な補助金が投じられ、アニメスタジオも急速に質を向上させています。国内市場が大きいだけに国内市場の嗜好を向きすぎているのと、政府の表現規制による制約があまりにも厳しいという問題がありますが、それさえなければ、すでに世界市場でも日本のアニメ業界を凌駕していたでしょう。
テレビ局と広告代理店が元締めのため、日本のアニメ業界は国内を向きすぎでした。制作も販売もグローバル化しなければ、生き残れない段階にとうに来ていました。製造業などと同じことです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45956900R10C19A6EA1000/サブスクリプションサービスはリテンション施策が重要。継続利用には個々人が面白いと思うコンテンツにどう接触できるか。データドリブンでコンテンツのレコメンド、さらにはコンテンツの仕入れを行うNetflixは強みがある。
Netflixは結構攻めた、尖ったコンテンツをたくさん作っていますが、「Netflixじゃないと観れないからユーザーが増える」&「会員数が多いので尖ったコンテンツでもペイする」という構造と理解しています。
特に、記事にも出てくる湯浅監督のデビルマンはトラウマになるレベルの過激な描写で、とても刺さりました。決して他人には薦められませんが。。
日本アニメのグローバル化という点では、国によって日本アニメの人気の出方が異なる、という点が面白いです。
例えばインドでは忍者ハットリくんが人気で、
欧米ではナルトとポケモンが人気で、ワンピースはあまり流行っていないそうです(下記リンク)
https://forbesjapan.com/articles/detail/27959/1/1/1