有機EL技術の第2幕が開く、JOLEDが印刷式で“赤海”回避
日経 xTECH(クロステック)
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印刷法による有機ELの一番の問題は(1)スマホに対応する高精細ができない、(2)TVに対応する高輝度ができないという点です。JOLEDのモニタ向け製品の画質評価については下記記事が詳しいです。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/1217878.html
ここでピーク輝度が330ntとなっているのが最大の問題です。最近のTVはピーク輝度は1000ntが要求され既にLGの有機EL TVは実現していると思います。有機ELを使用したiphone11 proも800nt(標準)を実現しています。LGのTVもiPhoneも蒸着法による有機ELを使用しています。
では印刷は何故330ntで止まっているか。これは印刷法で使う有機EL材料(高分子材料)の寿命(信頼性)が蒸着法の材料(低分子材料)より劣るため現状輝度を抑えざる負えないのだと推定されます。なお寿命は輝度のほぼ二乗に反比例します。いいかえれま暗くすれば寿命は延びます。
サムスンもLGもJOLED以上に人をかけ有機ELのR&Dを進めており印刷法の研究もずっとやっています。しかし彼らは蒸着法を選びました。サムスンの次期有機EL TVも蒸着法です。
印刷法はレッドオーシャンに入る前の段階でその解(特に輝度―寿命)はまだ見つけていない。技術でなくビジネスでも、さすが野澤さんの記事は深い。JOLEDは技術ライセンス(むしろ工程受託開発というべきか)会社として良い位置にいる。IPOまでのカギは馬力にあふれたR&D PM兼営業を3人雇うか生み出すかではないか。