東大がSNSを使った顧客分析の新手法を発表 あるブランドを好む人は他にどんなブランドを好むか?
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注目のコメント
中の人です。
折角なのでリリースに書いていない情報を書いておくと、これはSNSを使ってアカウント同士の親和性を数値化する技術です。ブランド同士ではなくSNSアカウントがあれば人とブランド、人と人の親和性も測れます。
「親和性」がどれくらい正しいかは大規模アンケートにより確認済み。相関係数で0.5前後でます。ブランドの興味や認知は個人差が大きいことを考えると高い相関だと考えています。ブランド同士のタイアップや、ショッピングモールのブランドリクルーティングに使えると期待。例えば、ユニクロとしまむらのファンはほとんどかぶっていなさそうです。だから同じモールに置くか、それとも置かないかはプロの腕の見せどころ。「誰にこのブランドのアンバサダーになってもらったらよいか」なども議論できます。プロならブランドや人の親和性は体感的に知っているというご意見もあるでしょうが、客観的にかつ定量的に議論できるところが味噌です。
クレジットカードやポイントカードは「過去にこのブランドを買ったことがある可能性が高い」ということは予測できても、「このブランドに興味がある人は別のこっちのブランドにも興味ありそう」といった未来志向の予測は苦手です。面白いことに、SNSは過去の予測は不得意だけど興味・認知といった未来志向の予測が得意という結果に。
下記のようなピック記事でこの技術を使っています。
貧乏人ほどタピオカやスタバを好む理由
https://newspicks.com/news/4248424
(補足)
たくさんコメント・質問をいただき、ありがとうございます。
・技術的詳細はリリースPDF、論文を参照ください。
・親和性があるかではなく、親和性という連続値を議論しているので順位相関で評価します。
・ポイントカードとは違う情報が取れそうというのがポイントです。
・単にフォローしているかを見ているのではなく、日常の投稿を見ています
・ACMの旗艦会議であるMM Asiaのoral (<10%)に採択されているので技術的新規性、技術的優位性等の学術的価値もある程度評価されていると思っています。
・有名でないブランドも解析可。100人くらいフォロワーが付けば十分です。
・バイアスはあると思いますが多数のユーザを解析することで排除。逆にクレジット・ポイントカードは地理的制約を強く受けます。もっと前からあっても良かったビジネス。
海外では類似のサービスがあったように思います。
後はこの会社がより幅広いサードパーティーデータや、データを持つ企業と連携してサービス価値を上げることを期待しております。
なかなかデータや、顧客行動の見える化だけではビジネスにならない、企業がお金を払わない時代ですから。