ボルカー元FRB議長死去 米物価抑制に手腕
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2010年、リーマンショックから立ち直り始めていたウォール街を取材して、銀行に厳しい規制を課そうとしていたボルカーさんについていろいろ調査・取材したことがあります。
身の丈2メートルの大男、愛想悪く人を見下ろし、ドスの効いた低い声でハッキリとモノを言う。生活は質素そのもので昼食はホットドックですませ、くだびれたスーツを来て、待ち合わせ場所にはリムジンも使わず一人で歩いて行くそうです。妻が重病で、公務員の給料ではやっていけないので仕事を反対されたことも。
ボルカーショックの際には国賊呼ばわりされるも、米国民から感謝されるのはその数年後に彼の強固な意思で高インフレが見事に収まってからでした。グリーンスパンの自由放任な政策スタンスにも批判的でしたが、自身の後任を批判することをよしとせず、しばらく沈黙。機が熟してからの、ボルカールールでした。
彼の発言にはいつも筋が通っていて、かつ一貫していたからこそ、信頼され、尊敬されていた人物なのだと思います。数年前に一度だけ少人数の講演会でおみかけしたことがありますが、非常に大きい身体で、でも高齢にもかかわらず元気な方だな、との印象でした(池田さんと違って愛想悪い印象はありませんでしたが)。
FRBの議長を退任後も金融危機後のボルカー・ルールのボルカーとしても知られ、彼の主張は民主党政権下で危機後の規制の流れをつくった面もあります。