映像は、未来を見通すための文化財だ 全番組を保管するフランスの発想
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テレビ局も全番組を保存しているのですが、これはかなり悩みのタネです。フランスのように磁気テープに保存するにしても、年月が経つと録画形式が古くなり再生機の生産が終わり、新しい形式に変えていかなければなりません。
民生用でもソニーのベータやVHSはもう存在しません。DVDもどんどん使われなくなり、ブルーレイもいつまで使えるのか。
映像は文化財だから保存すべきだと言うのは簡単ですが、現在の番組を保存するのはもちろん、何十万時間もの過去の映像データを書き換えるのは、受信料収入が豊富なNHKはともかく民放にとっては、とんでもなく困難な作業です。25年前パリに駐在していたぼくがフランスの情報通信政策で最も注目し最も多くのレポートを東京に打電していたのが国立番組アーカイブ「INA」。
映像を国民資産と位置づけ、民放も含め全番組をアーカイブ化し、デジタル化し、発信もする。テクノロジーの研究機関でもある。ネット社会を見据えた国家戦略として目を見開きました。
その後 日本でもNHKや民放が映像の保存に努力を払うようになりましたが、その規模や政策としての迫力(INAは全員が公務員!)でとても太刀打ちできるものではありません。今も日本版INAがほしいと思っています。ネット上のコンテンツはyoutubeなど一部をのぞいてはその場で消費され、消えていくものがほとんどですが、ストックすることで、後年に新たな価値を生んだり、その時代の検証や振り返りに役立つこともあるでしょう。日本の国立国会図書館が海老蔵さんら40数人のブログを保存する作業を始めたのもその狙いかと思います。