スタートアップにNDA締結は必要ないのか?
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先日、愛読しているCoral Capitalのブログ上に「私たちがNDAにサインしない理由」というポストがありました。賛否両論ある議論だと思いますが、これは対象となるスタートアップのステージによっても見方が異なる話なのかなと思います。
Coral Capitalさんが主たる対象とするようなシード期スタートアップの場合、ほぼアイデア段階のディスカッション程度であれば、たしかにいちいちNDAを交わすのは過剰な手間であり、双方が合意するのであれば、わざわざNDAを交わさなくても良いといういうケースも少なくないだろうと思います。
一方で、私たちシニフィアンが主たる対象とするレイターステージのスタートアップの場合、本格的に投資を検討する段階でNDAを交わさないというのはかなり考えにくいと思います。
そうでなければ、スタートアップ側も安心して実際のデータを提供することができないでしょうし、投資家側も具体的なデータなくしてはまともな投資検討ができません。
この点、情報管理に求められる厳密さは、(極端な言い方ですが)「社長の目が気に入った!」くらいの勢いで投資し得るエンジェルラウンド、シード期とはかなり異なります。私も個人でのエンジェル投資であれば、NDAなしに議論し、これくらいのノリで出資したこともあります。
とはいえ、シード期であってもセンシティブな技術情報などを扱っており、情報が保全されることが担保されないと、安心して話をできないというスタートアップもあることでしょう。
仮にシード期において実務的な手間を減らしつつ、安心して情報提供できる環境づくりを目指すのであれば、シード期に出資なさる投資家層の方々がイニシアティブをとり、共通のNDAフォーマットを作成して一般公開なさるのがいいんじゃないかと思うんですけどね。それこそJ-KISSみたいに。
どうなんでしょ。
私たちがNDAにサインしない理由
https://coralcap.co/2019/10/why-we-dont-sign-ndas/Coralさんやシフィニアンさんが記事を投稿しているように、「投資検討においてどのタイミングでNDAを締結すべきか」は意見の分かれる論点だと思います。
VC側からすると、投資検討も年間数百/数千社と膨大ですし、情報を漏らすわけがないと思っているので、NDA締結はなるべく必要最小限に留めたいというのが本音だと思います。
一方でスタートアップ側からすると、情報は財産の一部ですから、情報が出てしまうリスクは少しでも低くしたいはずです。
私の意見としては、本格的に詳細検討するフェーズになったらNDAは締結するのがフェアだと思っている派です。
年間数百/数千社検討するとはいえ、実際に詳細DDするのはその1/10以下ですし、詳細DDする手間に比べたらNDA締結の手間はわずかです。
また、その段階になかったとしても、スタートアップ側からNDA締結の要望があれば、なるべく応じるべきだと思います。
なぜなら、情報提供するのはスタートアップ側ですし、その情報のセンシティビティはVC側に判断できないと思うからです。
ちなみに「共通のNDAフォーマットを作成して一般公開」はぜひお願いしたいです笑NDAしていなかったのか⁉というどちらかというと驚愕です。
ヒトを採用する際にもしているくらいですからね。
共通フォーマットはあってしかるべきでしょう。このあたり法律ドットコムさんとか作ってあげれば(笑)と思ってしまう…軽い?