【ドンキ安田】これから日本は、さらに「ディスカウント化」する
コメント
選択しているユーザー
まずドン・キホーテに来るお客さまで、我々をもうけさせたいと思っている人は、世界中に一人もいません。あくまで、自分のメリットです。私も逆の立場だったら同じです。
ただし、じゃあとにかく安く販売できればそれで良いかというと、それは違います。コストを極限まで削ると、あまりにも無味乾燥な店ができてしまうからです。
その結果、安いけど全く面白くない店が出来上がってしまいます。
結局、多くの企業はどちらかに振ってしまうんですよ。とことん販管費を下げて安くするか、お店のクオリティを上げてリッチにするか。
でも、どちらかに振ってはいけない。
できるだけ低価格にしたい。だけども、お客さまが面白いと思う店頭も譲れない。この永遠に相いれない矛盾を、どう実現し改善するか。
ドンキにはたくさんのアンチもいますが、不特定多数に受けようとすると、結局誰からも支持されません。
だから、10人のうち6人ぐらいは「あの店、嫌いだ」と言ってくれる方が良い。そうすれば、3人ぐらいは「好きだ」と言ってくれる。
注目のコメント
インタビュー後編の中で安田氏が言うように、世界の小売業の上位企業は、軒並みディスカウントショップです。日本では安売りのドンキが異端扱いされていますが、グローバルで見ると主流だということがわかります。
そして当然ながら、同じ商品なら安いに越したことはありません。アマゾンを重宝する理由も、利便性に加えて値段の安さによるところが大きい。今後、日本でもさらにディスカウント化が進むという指摘には、納得感があります。
飲食でみれば、牛丼を380円で食べられる先進国は他になく、日本は非常にディスカウント化が進んでいます。さらに小売業でも進むと、日本の物価はより低下するかもしれません。金融政策でCPIが思うように上がらない現象を、このあたりから解明すると面白いかもしれません。なるほど〜
一般的にEコマースは、ネット販売だから低コストだと思われていますが、あくまでもそれは、ある単価以上の話です。
逆にある単価を下回ると、急にコスト比率が高くなる。結果的に別途、配送料をもらう必要があり、お客さまも350円の商品には払いません。
商品単価350円のエリアは、アマゾンの脅威には晒されない。むしろ、ポジティブなアマゾンエフェクトを享受できています。
Eコマースの影響で他の小売業が廃業していき、かつては獲得できなかった物件が格安で出回るようになった。アマゾンや楽天に頑張っていただいたおかげで、いっぱい好立地の居抜き物件が空きました。
さらに、ずっと苦労してきた優秀な人材の獲得もできるようになっています。自社のビジネスや、その競争力・模倣困難性をシンプルに説明できる会社・経営者は強い。
『ドンキは安いものから高いものまで売っていますけど、平均単価は350円と非常に低い。そのうち70円が、私たちの会社の人件費や配送費などのコストです。我々は350円の商品を70円でお客さまの元に届けているわけですね。一方で、Eコマースを運営する企業は、同じものを販売した際に、ピッキング、パッキング、デリバリーを70円のコストで完結できません。』
上記から考えると、逆にAmazon Primeなどの戦略も分かる。
便利になると、より頻度高く、色々なものを買う。またまとめ買いも促進する。それによって、一配送あたりの購買額を上げる。一配送あたりの購買額の増加ペースほどに一配送あたりのコストは増加しない。それによってドンキや食品スーパーが扱うものにおいても、コスト優位性を確立しようとしている。併せてその自動化・内製化を進めて、コスト自体も下げようとしている。
本記事でも「驚安」という言葉が出ているが、下記記事にも出ているジェフ・ベゾス氏の創業時の考えが、小売のすべての本質をついていると思っている。「安さ」「品揃え」「顧客体験」が回ると、トラフィック(ネットだろうがリアルだろうが来店者)につながるから、販売者にとって魅力的な場所になり、それが品ぞろえにも、コストを安くする(コストを薄める)ことにもつながるサイクル。
だから業態として成長しているのかどうなのかは、小売にとっては極めて重要だし、逆回転すると全てが崩れる。
https://newspicks.com/news/3805960