75歳以上の医療費、2割負担を検討 低所得者は軽減
コメント
選択しているユーザー
注目のコメント
日本の医療費は、保険料の財源ではすでに賄いきれず一般の財源に依存した構造になっていますから、取れるところから出来るだけ財源を確保したいと考えるのは、政府としては「自然」で「単純」な思考プロセスだと思います。特に、医療費の支出が圧倒的に大きい後期高齢者の保険料からというのもとても「自然」に思えます。
しかし、費用対効果の検証、エビデンスに基づいた支出への有効な施策なしに、財源だけ確保しようというのでは、国民の納得感が得られないのではないかと思います。
例えば、日本では、エビデンスを欠き他の先進諸国では絶対に支払わないであろう不要な検査、治療にまで多額の投資が行われています。メディアによる健康不安の煽りも受け、人々は不要な検査を次々と求めます。
「やればやるほど儲かる」出来高払いのクリニックは、収入の確保のため、それを喜んで受け入れる傾向があります。医師にも患者にも医療はサービス業と混同され、「新しいもの、高いものほど良い」と愚かとも感じられるほど消費が進みます。
高齢者の間で横たわる「ポリファーマシー」などが好例です。(ポリファーマシーについては本日記事が公開になっていますのでご参照ください。)
https://newspicks.com/news/4416626/
有効なものにだけ支払う。例えばそのような無駄を削るだけでも、紹介される案を遥かに上回る効果が期待できます。そこに手をつけないで、患者側の支払いを増やすというのは、納得のできない施策と言われても仕方がないと思います。医療費負担の議論をするためには、「どういう状態がフェアか」ということを考える必要があります。3割負担と1割負担の世代間の違いを「高齢者優遇で不公平だ」という意見がある一方で、「高齢になるほど病気が増えて医療費が余計にかかるにも関わらず、年金暮らしで収入が極端に減っている高齢者に若い人と同じ負担を強いるのは不公平だ」という意見もあります。
そもそも「75歳以上の高齢者」といっても、資産や持っている病気、生活の状況があまりにも多様であり、年齢の区切りだけで議論をするのはナンセンスな感じはします。