民主派圧勝、香港デモの行方は 政治揺るがす伏線作った
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今回の「圧勝」は、区議選の結果です。立法府である立法会の選挙は来年です。そもそも「区」という行政単位があるわけでもなく、区議会には立法権などはありません。単に有権者のガス抜きのためにつくられたといわれても仕方がない機関です。
区議選は、1選挙区1当選者の小選挙区制、立法会は比例代表と中選挙区(全部で5選挙区)の並立制です。ただし、立法会(定数70)は直接選挙ではなく、有権者による中選挙区での直接選挙は35議席、職能団体による選出が30議席、区議会による選出が5議席です。
立法権は立法会にあり、香港特別行政区の首長である行戦長官を選ぶのも立法会です。
立法会議員は全て有権者の直接選挙で選ばれるべきである、というのが幅広い民主派の要望ですが、1998年の総選挙以来、その可能性は閉ざされてきました。さらに、その直接選挙でも、立候補者の事前審査があり、民主派の多くは立候補が許可されてきませんでした。このことは、選挙では香港の政治を変えられない、ということでもあり、民主化を求める大規模デモが起きることになった原因の中でも大きなものでした。中国共産党が自ら支配権を手放す選択をすることはないだろう。
「香港政府トップの行政長官は、政財界の有力者から成る1200人の選挙委員が選挙で選ぶ。中国にとって都合の悪い候補が選ばれないよう選挙委員も親中派が多数を占める仕組みだ。区議の互選で選ぶ117人の区議枠もあり、改選前、親中派が独占していた。
しかし、今回の結果を受け、全員が民主派に交代する見通し。現在、選挙委員の中には民主派が325人おり、合計では442人に増える。まだ半数の600人には届かないが、親中派には民主派に近い立場の人もおり、うかうかとはしていられない状況となる。」圧倒的に民主派、という有権者の意思がはっきりと突きつけられたことは、「絶対に普通選挙は認めない」という非妥協と、「事態収拾のうえでこの民意は無視し続けられない」という妥協の模索と、両面の効果を香港政府にもたらしたように思います。両者をどういう配分でミックスするかの配合ぶりを、香港政府は今後、熟考していくのでしょう。