入植、国際法違反視せず 米、イスラエル政策転換
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イスラエルの領土に囲まれて存在するパレスティナ政府の統治する領土は、ヨルダン川西岸地区とガザ地区の二つがあります。このうち、ヨルダン川西岸地区の方をイスラエル領に併合しようとする意欲を、ネタニヤフ首相は示してきました。これは、彼自身の与党リクードや、連立を組んできたユダヤ民族主義政党、ユダヤ宗教政党の要求でもあります。
ヨルダン川西岸地区の併合は、なし崩し的にユダヤ人が定住していく、いわゆる入植地を多数つくることで下準備が進められています。完全に併合するには、ヨルダン川西岸地区のパレスティナ政府を消滅させなかればなりません。
このようなパレスティ政府領土の併合が国際法違反とされるのは、国連の総会や安全保障理事会の決議で違法とされたからです。しかし、国連に強制力はなく、よほどの大国が介入でもしなければ、ヨルダン川西岸地区の併合は進められるでしょう。
ネタニヤフ首相は、二度の総選挙でも多数を確保できず、政権の維持も危うい状況ですが、米国がヨルダン川西岸地区併合計画を支援するのは、ネタニヤフ首相への援護になります。トランプ政権としては、米国内のユダヤ人組織やキリスト教右派の支持を得ることのできる決定です。現在、中東ではイランやトルコなどやったもの勝ちの感があるが、相変わらず米国でのユダヤロビーの力は大したものだ。トランプ大統領としても選挙が近いので形振り構ってられないということか。
これまでのアメリカの中東政策からの転換ですが、トランプ政権としてはエルサレム首都の件などとともに、既定路線なのかと思います。その波紋がどうでるか。