北京、動くか 香港デモ
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中国共産党が香港の抗議活動を放置することはありません。中国共産党にとって、国内で権威が損なわれ、自らの統治が危うくなることこそ、最も避けなければならない事態なのです。
もちろん、中国共産党は、国際社会から孤立することを恐れていますし、党内には、弾圧を強めることが国際社会の非難を招くとして、弾圧に反対する立場もあるといわれます。
しかし、習近平主席自身の口から、香港の抗議活動を「暴力犯罪」とし、暴力・反乱を制圧するという表現が出たことは、中国共産党が、今後、より暴力的な手段によって、香港の抗議活動を弾圧することを示すものです。
それでも、中国共産党が直ちに、武装警察の投入等、直接手を下すことはないと考えられます。その前に、香港警察が、より暴力的に抗議活動を鎮圧しようとするでしょう。習近平主席の発言自体、「暴力・反乱を制圧し、秩序を回復することが現在の香港の喫緊の任務である。我々は引き続き、行政長官が率いる香港特別行政区政府が法に基づいて施政し、香港警察が厳正に法執行し、香港司法機構が法に基づいて暴力犯罪分子を処罰することを、断固として支持する」と、香港行政府が厳しく対応することを求める内容だからです。
中国共産党は、香港行政府の香港抗議活動を取り締まる「能力」向上も支援するでしょう。すでに、香港内に、新疆ウイグル自治区にあるのと同様の強制収容所が建設される動きがあると報じられています。この施設は、香港警察の反テロ訓練施設とともに建設が予定されているものとされます。
香港警察の「対テロ」活動は、香港内で行われるものですから、中国の圧政に反対する抗議をターゲットにしていることは明らかです。中国はすでに、新疆の強制収容所や同地域におけるイスラム教徒の弾圧に関して、欧米諸国の非難を受けていますが、一方で、より多くのアジア・アフリカ諸国の擁護も受けています。
習近平主席が、BRICSの会議で、香港の抗議活動に強い姿勢で当たると発言したことも、開発途上国から、中国の行いに対する支持を得たかったからだと考えられます。人権問題を中国国内で解決することは容易ではありません。国際社会の厳しい態度があって、初めて中国も人権侵害を緩和させるでしょう。中国から得られる経済的利益に目を曇らされることなく、しっかりと現実を見て、国際社会が声をあげることが大切だと思います。その日は近い、ということでしょうか。「香港当局」が動くのでしょう。
せめて香港に責任のある近代史の国々は、此処まで拗れる前に、民主派に手を差し伸べる責任が有ったと思っています。それがどんなに無理筋の困難であろうと。