銀行が踏んだ公取委の虎の尾 フィンテック企業と不信
日本経済新聞
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データに対するアクセス権を最小コストでいかに確保するかという問い。本件に関する日銀関係者の見解を聞いたことがあるが、歯切れが悪かった。中央銀行と言えども古い銀行業界側に近いことを改めて感じ妙に納得したものだ。
ちなみにこの銀行への接続の問題は、同じくネットワークのビジネスである通信業界と基本的な構造は同じであることに留意したい。
通信の世界におけるネットワークレイヤーへの接続を希望するサービスレイヤーに対し、サービスレイヤーでも事業を展開するネットワークレイヤーとの間で接続料に合意できない局面をどのように打開するかについては、既に制度例がある。
政策立案側には既にその辺りまでは情報を入れており、金融機関側はあまりこの論点で突っ張っていると大掛かりな仕組みの導入という形でしっぺ返しを食う可能性があることを意識しながらプレイアウトされた方が良いと思う。銀行の顧客管理の負担は年々増しています。その費用を払わずに、例えば本人確認を銀行インフラを利用して簡便にできるフィンテック企業がいるのであれば、それは競争条件が歪んでいる。この立場に立つと銀行の言い分もわかる、顧客情報管理に異常なほどヒトとカネを注ぎ込んでいるのですから、1円も稼げないのにです。
記事によると公取や金融庁が出てくる可能性が示唆されていますが、果たして彼らの言い分が正しいのかわかりませんね。往々にして役所は自分が招いた結果を認めず、他の誰かが悪いと話をすり替えるのが得意ですので。