未上場スタートアップ上位20社、企業価値計1兆円超え
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日経NEXTユニコーンに選出されました。新しい産業を創るべく日夜努力を重ねているスタートアップの一員として、期待に応えられるよう、努力して参ります。
【ここから先は、ランキングの読み方の注意点です。】
(1)ランキングに載っていない優良スタートアップもある
私がCEOを務めるウェルスナビは、今回は7位にランキングされました。しかし、「順位が実力より高く出たな」というのが私自身の肌感覚です。
株価が日々変動する上場企業とは異なり、スタートアップは資金調達を行う時にだけ、企業価値が変動します。このため、例えば創業当初から黒字で、資金調達を行う必要がなければ、そももそも企業価値は算定されません。また、手元の資金が十分で資金調達を行わなければ、事業が順調に成長していても、企業価値は変わりません。
このため、ランキングに載っていない優良スタートアップや、事業が急成長しているのに企業価値が低いままになっているスタートアップがある印象です。
(2)スタートアップの企業価値は、上場企業の企業価値とそのまま比べられない
赤字覚悟で先行投資を続けて急成長していくスタートアップには、当然、リスクがあります。そこで、スタートアップへの投資では、二重、三重に投資家の権利を保護する「優先株」が使われています。
例えば、ある投資家が100億円の企業価値で投資したスタートアップが1年後に100億円で大手企業に買収されたとき、企業価値は100億円のままですが、投資家にはそれなりのリターンが出るような仕組みになっていたりします。
このため、スタートアップと上場企業の企業価値を単純に比較することはできません。
(3)スタートアップの企業価値=将来への期待値
日経NEXTユニコーンのランキングは、客観性を担保するために、直近の資金調達で発行された株式の価格から企業価値を算定しています。
しかしそこには、上記(1)(2)の通り、スタートアップならではの特殊性に注意が必要です。
スタートアップ経営者としては、企業価値はあくまでも、私たちウェルスナビのチームのミッションやビジョンの実現に向けた期待の大きさだと受けとめています。大きな期待に応えられるよう、一歩一歩、着実に歩んで参ります。企業価値上位20社の中に、FinTechは7社。金融とテクノロジーを掛け合わせたスタートアップに多くの投資が集まっていることがわかります。
2018年世界のFinTechに集まった投資額は約4.3兆円。前年比2.2倍という大きな伸びになっています。件数も1700件を超え、前年比1.5%アップ。
このことからもわかるように、1件あたりの投資額は増えています。未上場のスタートアップ企業の企業価値。上位20社の合計は22%増の1兆1877億円。首位のプリファード・ネットワークス、TBM、スマートニューの3社が企業価値10億ドル(約1100億円)以上のユニコーン。
米国や英国、インドなどに比べ、明らかに見劣りする数字。スタートアップ投資などのあり方もかなり違うように感じる。