フェイスブックの二枚舌
日本経済新聞
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既存勢力に果敢にチャレンジする起業家は一読して損はない記事。程度の差こそあれGAFAには4つの敵がいる。
第一にこの記事に代表される米国エスタブリッシュメント、具体的には政治家、行政当局、つまりは国家に嫌われてる。
第二に一般庶民。分断、二極化が日本よりも激しい米国や欧州のような国における中間ないしは下位所得層は市場を寡占し、儲け過ぎているにもかかわらず税金をまともに納めない彼らを叩く政治家、メディアにカタルシスを覚えている。
第三にマスメディア。産業ごと葬り去られかけている新聞社とテレビ局のFB、Googleに対する敵対心は、この記事に代表されるようにもはや憎悪のレベルに達している。日本人にとってやや理解しずらいものの、それが一面の真実となっている。
第四が欧州。欧州の世界に対する政治文化宗教など色んな意味での影響力は未だ軽視できない。GDPRは程度の差こそあれ世界のデータ行政のスタンダードになりつつある。そして彼らの根底にあるのは米国データプラットフォーマーからの個の尊厳の再奪取であり、それは具体的には富と個人データの再奪取である。
この記事は二枚舌(原文ではFaking)と言っているが、正直具体的に何が二枚舌なのか一読しただけでは分からないほどにFacebookとGoogleに対する「悪口」が散りばめられている。FTやCNNで活躍する著名なコラムニスト兼エコノミストが、上記4つの陣営におもねてビジネスをすればこうなるのだろうし、もっと言えばその村の住人なのだから自身も利害を、すなわちFBに対する憎悪を共有しているのだろう。