切っても曲げても超撥水──「ハリセンボンのトゲ」から生まれた新材料
コメント
注目のコメント
NIMSの撥水ネタがまたまた増えましたね!ちぎっても撥水、は確かに珍しい。
割と単純な製法です..トゲトゲ亜鉛は持ってませんが弊社ラボにあるものを組み合わせたら似たようなものが作れそうです。
遊びたい。作って弄って表面処理して鬼改造して遊びたい。しかし止めてる書類があるので遊んでたら怒られます。
水がコロコロすると大変爽快な訳ですが、それ以外にどんな面白い事がおきるかは他ならぬNIMSのYoutubeチャンネルがおすすめ。(前にもコメントした気がしますが)
★未来の科学者たちへ #09 「超撥水材料」
https://youtu.be/s_lvDK88cDY
★未来の科学者たちへ #14「超撥水ふたたび」
https://youtu.be/uM5TAxKHPQc
特に、親水/撥水パターンで液滴輸送ができるアイデアは最初見た時からお気に入り。表面張力が確かに「力」であることを再認識できるユニークな実験です。
余談
ところで記事後半の説明についてですが、汚れの付着と着氷に関しては、撥水ではなく親水性の方が良いケースもあります。撥水表面は水滴は付かなくても油性のエアロゾルなどは堆積します。トゲなどで下手に表面積を増やすと余計引っかかりやすくもなりますし。堆積物が増えると撥水表面が機能せず一気に汚染が始まることもあるのです。よって撥水イコール汚れが付かない、ではないので、そこは注意が必要です。
余談2
このサイズの亜鉛だとかなり光を散乱して外観が濁りますし、単純な組成のシリコーン(特にジメチルシロキサン含有量が多いもの)はあまり物にくっつかないこともあり、塗料化は簡単ではないと思います。この発想を利用して既存の塗料の撥水性を上げる、というのはあり得ると思いますが。「ハリセンボンのトゲ1本を見てみると、消波ブロック状に4方向に針が出ている。そのうちの1方向に伸びた針が、残る3方向に伸びる針によって皮膚の表面から突き出ている。これを工業材料にできれば、耐久性のある超撥水素材ができると考えたという。」
ハリセンボンから超撥水という発想に至ったことがそもそもすごい。海の生き物から撥水というにはなかなか至らないものなのではないかと思う。すごい。