ソフトバンクG WeWork支援ににじむジレンマ
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記事にあるのは以下3つのジレンマです。
①出資元・原資のジレンマ:SVFから出すか、SBG本体から出すか
→本件はSVFからの出資を模索したようですが、恐らくはSVFの投資委員会を通らなかった(或いはその可能性がない)ということでしょう。なので本体からということですが、一般にファンド運用業において、LP(ファンド)とGP(本体)とでは、利益相反が発生し得ます。
②「群戦略」のジレンマ:マイノリティ出資(20-40%)と独立性
→一般にVC/PEによるマイノリティ出資と経営の独立性は両立しますが、対象が(超巨大な)ユニコーンともなると、経営の独立性の維持は難しくなる(業績不振局面で損切りする)ということです。これは一般のVC/PEでは生じない問題で、つまるところ、SVFの規模が極めて大きいということに本質があると理解しています。
③WeWorkのバリュエーションのジレンマ:high or low
→高いバリュエーションだと投資リターンが低くなるが、低いバリュエーションでもSBGの決算における投資有価証券において評価損を計上せざるを得なくなる、という問題です。
(これは過去のラウンドにおいて適正なバリュエーションで入っていればそうしたことは本来起こらないはずなのですが・・・)
そして上記に加えて、WeWorkに関しては、(当たり前ですが)以下ジレンマがあります。
④追加出資のジレンマ:追加出資により支援するか、損切りするか
→ここでSBGが追加出資しなければWeWorkとしてはJPモルガンがアレンジしているフィナンシャルパッケージを活用することは間違いなく、出資済みの約1兆円はゼロになるでしょうが、追加出資すれば更なるリスクを負うことになります。そのジレンマの中で、SBGとしては今回、後者を選択したということですね。