浸水被害 田園調布も二子玉川も…多摩川周辺で起きたこと
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他の記事に投稿したものとほぼ同じ内容を再度投稿します。
まとめサイトの煽りなどで酷い勘違いが起きていますが、反対運動は昔に終わっています。一部の身勝手な「堤防無駄論」は行政に却下され、その後10年前に二子玉川駅東側の堤防が建設され、その過程で解散しています。
つまり、完成堤防建設を前提に、住民と行政の懇話が進んでいたものの、間に合わなかった、というのが実情です。
今は完成堤建設自体に反対意見は既に無く、「堤防無駄論」は、出る都度、行政側から明確に却下しています。
よって、堤防を作るか作らないか、という次元からは既に離れていて、
「ここに堤防作るから、どんな堤防が未来にとって良いか、考えよう」
という懇話になっています。
以下の国交省の区の活動HPを見て見れば、この活動は、「多摩川の自然環境を活かしながら、どうやって安全やプライバシーを両立するか」、という高度な社会テーマのサンプルとして、どこに住む人であっても興味深く読み込める内容になっています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin00916.html
今回の悲惨な状況はとても残念でもありますが、「多摩川の宝物を未来に残そう、それと同時に、皆の安全を守ろう」、という世田谷区の活動を知る切欠となったらいいな、と思います。
余談1
今回の氾濫は、多摩川の計画高水位を約30cm上回っていたことが、二子橋のライブカメラから分かります。
国土交通省の管理技師の方々には、本当にギリギリの調整をしていただいていたのだと、改めて頭の下がる思いです。
余談2
河水が氾濫したのは多摩川旧堤の川側で、その他の浸水は、
「内水氾濫」
です。
これは簡単に言えば、増水した川から水が排水路を逆流することを防ぐために、排水路に栓をすることで、結果的に宅地内部に降った雨が、排出できずにジワジワと低地に溜まるものです。
これをやらないと、マンホールが河水逆流の水圧で吹っ飛び、逃げる間も無く宅地が水没して死者が増加します。
なので河水が越水しなくても起きるもので、ハザードマップ対象地域に住むことは、河水氾濫だけでなく、内水氾濫を覚悟しないといけないことは事実です。
https://sp.hazardlab.jp/know/glossary/内水氾濫
注目のコメント
防災の話なのに、高級住宅地ほど景観保護のために堤防つくらないとかで、シャーデンフロイデ的な感情が混じりやすく、いろいろ大変です・・
非劇的な話ですが、アメリカの「携帯電話のタワーを建てる場所」の件で、高級住宅地ほど住民が景観を盾に反対する傾向が強く、住民以外も不利益を被るという話もあります。
反対住民だけが被害を被るなら仕方ないともいえますが、より広い範囲の不利益が出ます。
どうすればいいか、私には決定打はないですが、難しいですね。今回の一件でもう誰も「堤防よりも景観」と言えなくなるし、その理屈は通用しなくなるでしょう。川沿いではない住民にとっては多摩川の景観は全く自分たちとは関係ない世界ですから。
何よりこれで自分たちの土地の地価が下がるのは勘弁、というのが本音では?