AIのディープラーニングで脳の病気を発見 医療機器に初承認
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皮肉なことですが、他の先進諸国の2-3倍もの数のMRIを保有し、意義不明の無数の頭部MRIを行ってきた日本でこそ、活躍する可能性が高いAIだと思います。
願わくは、これが次の段階ですぐに宣伝文句に使われなければ、と思います。臨床研究のステップを抜きにして「スマートAIによる脳ドック」がはじまらないことを祈るばかりです。これは脳ドックを対象としたディープラーニングによる自動読影システムのようですが、必ずしも良い事ばかりではないことを知っておく必要があります。
また、どんな画像を認識させたかによって、精度は異なります。もしも脳血管造影を行なって、動脈瘤が確認された症例だけを集めていたのであれば、精度は高そうです。しかし、人間の読影ベースでやってるのであれば、偽陽性も多く見られるでしょう。
原田先生が医師向けの雑誌に寄稿されていますが、脳のMRI/MRAによる脳動脈瘤のスクリーニングは良い事だけではない事を知っておく必要があります。脳ドックの利点はもちろん脳の病変を見つけることで、被曝がないこともメリットです。
しかし、脳動脈瘤の検出率は記事にもあるように60%〜70%とされており、しかもそれが偽陽性でないことを確認するためにさらなる検査が必要になります。その検査自体のリスクがとても高く、脳動脈瘤を見つけて、リスクを負って検査をしたけど検査によって脳出血が起きたり、実は何もなかったという事が起こりうります。
また、検査を行わない場合、自分には脳動脈瘤があるという危機感を煽り、精神的なダメージを与えます。
これらの理由から、むやみに脳のMRI/MRAを撮影することにはそんなに価値がない可能性がある事を知っておく必要があります。