日本から中国へ、コンテンツ業界で起きている「人材流出」の背景
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先日、中国資本のアパレル企業のビジュアル制作を日本で行いました。日本のクリエイターは未だに我々のセンスが欲しいからだと勘違いしていましたが、大きな理由は制作費が日本の方が安いから。
それに気づいているビジネス感覚のあるクリエイターは、もう日本の仕事を相手にせず、中国企業の仕事にシフトしています。
さらに、日本企業は挑戦をさせてくれない。
前例がない、効果を数値化しろ、という理由で受け入れられず、面白いワクワクする仕事がどんどん減っています。このモチベーションはクリエイターにとって非常に大切なこと。
そりゃ人材も流れるわな、といった感じです。
注目のコメント
従来からアニメ業界の課題は製作側の低収入、製作者への資金還流であり、中国市場への進出は、NetflixやAmazonでのアニメ展開と並び、それを解決する手段。国内メディアがクリアできなかった問題に米中がおカネを運んできている構図です。
アニメクリエーターに限らず、日本の技術職の方全般に言えることですが、自分の技術を活かして何かを作ることに熱中しすぎて、「それをビジネスにする意識」があまりに低いと感じます。
要するに、自分の作品を作るだけで満足して、それを売る気がない、それで金儲けをする気がない。
だから、「制作サイド」は金銭面で「販売サイド」に支配される形になり、対等な関係で無くなってしまう。
これは「職人が金儲けを考えるのは卑しい、そんな精神ではいいものは作れない」という思い込みによるものだと思いますが、その風潮の根源は「清貧」などという立派なものではなく、単に他人が金儲けしてるのが気に入らない大衆心理によるものだと思います。
「クリエイターの待遇改善を!」と叫びながら、いざ商売の才能も持ち合わせたクリエイターが登場してきたら「商業主義者」とボロクソに叩く、大衆の浅ましさが、大きな原因だと思います。