京セラが世界初のクレイ型リチウムイオン電池、粘土状の電極材料が違いを生む
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ちょっと時間が取れないので、昨日先行発表していた記事へのコメントリンクを張っておきます。
https://newspicks.com/news/4271150
追記
特記すべきは、クレイ型は「住宅用蓄電池専用」であることですかね。クルマには使えません。
なぜならペラペラのパウチ構造であるだけでなく、厚膜の電極(活物質。AlやCuの集電体を除く)にしているからです。電気を貯める部材を厚くすれば電気はたくさん貯まるという分かり易い理屈です。
反面、厚膜だと電気を取り出したり貯めるのが苦手です。自動車やモビリティで求められる出力が出ず、急速充電も出来ません。低(C)レートにならざるを得ないところを、半固体の電解質を使って積層(&バイポーラ)構造にしています。なのでクレイ型というよりも、24M Technologiesが公表しているSemi Solid Batteryの方が、電池の電解質が完全に固体である全固体電池との対比で分かり易い。京セラはマーケティングも意識してクレイ型と呼称したのかもしれません。
卒FITが年末から始まるため、今回は安価で必要最低限の容量の家庭用蓄電池を目指しているので、VPP利用までは恐らく想定してません。PVからの余剰電力を蓄電する日常利用に加えて、充放電を繰り返したり、アグリゲーターの都合で急に放電させたりすることに耐える設計にはなっていないはず。
つまりPV発電をゆっくり貯めて、自家消費して貰うユースケースを想定した価格競争力のある家庭用蓄電池を京セラは来年1月から量産するということ。本来なら12月から提供を開始したかったでしょうが、量産立ち上げする技術者からすれば最大限努力したと思うと共に、安易に海外ベンチャーのバッテリーを採用することに疑問も感じます。
理由としては、既存のリチウムイオン電池の製造ラインを踏襲し、更に工程を間引けるので短期間で量産化に漕ぎ着けるには最適なアーキテクチャの電池だからなのですが、これだとOEMに堕したと表明したことにもなります。
なのでクレイ型電池は家庭用蓄電池専用なのです。京セラは全固体電池も持ってますので。京セラ・24Mの半固体あらためクレイ型については、下記などでPickしてきたので、リンクを。量産でこのサイズの電池を出せたことは大きいと思う。
https://newspicks.com/news/3994185
https://newspicks.com/news/4008852
https://newspicks.com/news/4179988