功罪のマイナス金利、日銀もECBも「深掘り」を検討する本当のワケ
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注目のコメント
階層化で威力を薄めながら深掘りを進めるのはさながら羊頭狗肉ではないか?と感じます。その本領はやはり為替が念頭にあるのでしょうか。いつもより紙幅を頂いて一筆させて頂きました。
「マイナス金利政策を導入して欧州では丸5年、日本では丸3年が経つが、その効用として取り沙汰されるのは不動産を含むリスク資産価格の上昇や金融機関収益の押し下げくらいであり、最終的なゴールであったはずの物価の押し上げについては両地域とも実現していない」
金融業界所属のアナリストはよく金融政策の評論をするが、実際の先進国の金融政策の運営は大抵、彼らが知らない学術的知見や詳細なデータ分析に基づいて行われている。少し前に米FRBが一度利上げに舵を切った時、利上げによる景気低迷リスクなどと言っていた人もいたが、景気を調整するのが金融政策であり、FRBの担当者達は彼らが思うほど馬鹿ではなく、状況をみて修正している。トランプが言わなくても同様だっただろう。
マイナス金利政策も学術的な蓄積が進みつつあり、アナリストが語る感想とは全く違う。マイナス金利政策はゼロインフレでも機能すると期待され、物価目標はマイナス金利政策の目標ではない。
「階層化システムの検討そして導入に至ったというのが実情だろう」
日頃は一応データでものを言おうとするアナリストも、マイナス金利については「だろう」「だろう」程度だ。最もその理由は恐らく、雇われている金融業界は基本的に反対なので、「忖度」しているのだろう。階層システムはEUでは難しいとしても日本にはあまり当てはまらない。(中小の)金融機関の体力が落ちているのは、マイナス金利以前からであり、実際大手がどのくらいマイナス金利付利を支払って、利益がどのくらい落ちたか、データを調べて示せばよいと思う。やたらとECBでは問題があったと言いたげだが、マイナス金利を日本より下げているし、止める気配などないのが事実である。
長年ゼロ金利であり、たった0.1%マイナスにしたからと言って急に問題が噴出したと言うなら妄想としか思えない。中立金利が負なら政策金利はそれより下げないと金融緩和にはならないし、リバーサルレートがどこかにあるのか不明だが、そうなるまで下げればいいだけ。
学術的にも円安が良いとは思えない。外貨を貯めこんだ日本はむしろ円高の方が国益だろう。
参考
https://supplysideliberaljp.hatenablog.com/entry/2019/09/12/194423中立金利がマイナスの可能性があるとして、政策金利をマイナスにして効果があるか、というのは確かに検証が十分になされていないかもしれない
リバーサルレート論も含めて検証が待たれます