この連載について
GAFAを始め、プラットフォーム・ビジネスという言葉が登場し、その全盛期を迎えたが、その本当の意味を知る人は少ない。UberやWeWorkなど、巨額の赤字を垂れ流す企業も登場するなか、その真の定義をMITの教授が解説する。
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Amazon is a leading online retailer and one of the highest-grossing e-commerce aggregators, with $386 billion in net sales and approximately $578 billion in estimated physical/digital online gross merchandise volume in 2021.
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Apple is among the largest companies in the world, with a broad portfolio of hardware and software products targeted at consumers and businesses.
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その本当の仕組み、そしてうまくいくプラットフォーム、そうでないプラットフォームについて、そのビジネスモデルを20年以上にわたって追いかけてきたMITのクスマノ教授に詳しく語ってもらいました。
後編では、日本から巨大プラットフォームが生まれない理由についても詳述してもらっています。
「やっぱり最終的にはプラットフォームにして〜」
みたいな発言を良く聞く中で
「ん?そもそもプラットフォームって、なんやねん!? 」
と思う事もあったので、"複数の市場側面"、"ネットワーク効果での価値を生み出す"など、改めてプラットフォームを定義付け頭に入れておきます。
今の話だけでなく、トヨタを例としたプロダクトプラットフォームの歴史の話なども、面白い。
・"グローバル"や"リージョナル"な規模にスケールするとより一層強く、
・"特定の技術レイヤー"で他のレイヤーと補完的になれればスイッチングされにくく、
・"自らの構築したサービスの上"に他の事業者が数多く集まる"エコシステム"を作れればスケールしやすく、
・業界や製品"共通の課題を解決する中立性を持てる"と発展しやすく
なるのがプラットフォーム。
レイヤーの区分とどの領域を強みとするのか、何をオープンにして何をクローズドにするのか、中立性を担保してどう儲けるのか、先にリファレンスモデルを確立したものをどのようにオープンにしていくのか、論点とアプローチが非常に難しく日本企業が苦手とするところです。
かれこれ10件以上のインダストリアル・プラットフォーム構築の戦略にかかわってますが、頭でわかっていても実行できない企業が多いのも事実です。
「今世界で問題になっているのは、GAFAを中心とした巨大プラットフォーム企業をいかに規制するかであり、企業側としても、際限ない成長戦略をただ描くだけでなく、自身のプラットフォームで起こっていることを規制していかなければならなくなったということです。」
中央集権的な考え方に立脚すると、いかに規制するかという発想に行きがちですが、これだけ移動が楽になり、資本も国を飛び越えてしまうと、規制するという概念が馴染まないと私は考えているほうです。
独占禁止という考え方も、それが消費者メリットになるから必要なのであって、オープンソースで発想されたプラットフォームは独占市場になるほど便利です。Facebookアカウントで全てのサービスがログインでき、会員登録なんて煩わしいことはする必要がなく、誰とでも連絡取り合える世界はとても効率的です。
効率的なことが全て正しいのかとか、個人情報はやっぱり(利用されないとは言っていても)握られたくはないよねとか、そういう議論はあると思いますが、便利であることは消費者利益だと思います。
また、独占することによって、独占を続けられるかというのも数十年前とは状況が違う。GAFAであっても、消費者から搾取してビジネスを継続できるほど、イノベーションのスピードは待ってくれなくなりました。常に改善を続け、適切な利益と適切な消費者還元を続けなければ、後を追う企業群に追いつかれてしまうと常に自身を律していると考えます。国家が何もしなくていいとまで言うつもりはないけれど、規制の考え方も変化していると考えた方が現実的。
以下引用:
この状況は、あえて言えば、投資家にとっては、詐欺的な要素をはらんだ「自転車操業」もしくは「ねずみ講」とさえ言えるかもしれません。Uberは間違いなくそのうちの一つだと言えます。
GAFAに限らず、プラットフォーム型のビジネスはいろいろあって、たとえば書き手と読み手をつなげるのが「出版プラットフォーム」。
「プラットフォーム企業が成長するための3つの鉄則」が、
1 2つ、もしくは3つの市場の側面をもつ
2 ネットワーク効果で、価値を生み出す
3 鶏と卵問題を解決する必要がある
そういうビジネスが描けて、実際にリスクを取れるのがプラットフォーマーなのだと思います。言うは易く行うは難し。
プラットフォームについて新しい見方ができるレポートです。トランザクションプラットフォームとイノベーションプラットフォームの2つがあること。なるほどいい分類です。
Googleは、スマホのOSにおいて、世界シェアの8割を握っていて、ユーザーは何もいわなくても検索に、グーグルマップ、クロームを使うわけですね。だとすれば、Googleは、人々に自分のサービスを使わせるために、アルゴリズムなどを操作する必要なんてないはずなのです。
これは1990年のマイクロソフトと同じです。
マイクロソフトのケースで学んだことは、それほどまでの支配力を持ってしまった場合は、そのリソースは自らのビジネスを自社ネットワークで促進することに使うべきであり、違法な振る舞いに手をだすべきではない、ということです。