サウジ攻撃、イランから実施と断定 米当局者
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イランは「フーシー派がやった」と主張し、フーシー派も自分たちがやったと主張しています。しかし、実際にはイランが行った可能性は十分にあると思います。フーシー派はイランから支援を受けており、イランの指示に従います。
イランがこんなことをやる意味はないと皆さんは考えると思いますが、十分に計算した上で、大きな賭けではありますが、計画的に今回の攻撃を実行した可能性があると思っています。
すでに7月号の『FACTA』にイランの「最大限の抵抗戦略」の意味について書きましたし、9月号にもその続報が掲載されますので、ご興味のある方はそちらをお読みいただきたいと思います。
イランは米国の経済制裁で徹底的にいじめられ、原油輸出が出来ない状況です。5月以降全面禁輸措置がとられ、このままでは持ちません。イランは一刻も早く経済制裁、特に原油の全面禁輸措置を解除させたいと思っています。フランスがいろいろ動いてくれましたが結局は米国がうんと言わなければだめで、トランプは首脳会談には応じるが制裁解除はしないと言っています。北朝鮮との交渉をみても分かる通り、米国は簡単に制裁解除はしません。
イランを制裁でここまでいじめておきながら、米国や敵対勢力が何の痛みも伴わない状況は許さない、というメッセージをイランは送っていると思います。イランだけが原油輸出できず、敵対勢力は原油で儲け続ける、そんな都合のいい状況は許さない、それをさせない能力がイランにはあるぞ、ということを示しています。
ただ、本来は戦争行為になってしまいますからイランがやったことは絶対認めませんし、「フーシー派」がやったと主張しているのです。
トランプはイランに対して軍事行動をとりたくないと思っています。トランプの頭の中は95%以上選挙の事を考えているでしょうから、イランとの面倒くさい戦争などかかわりたくない。そのことをイランも分かっている。
だからイランはあえて危機を煽っているのです。こうでもして暴れなければ、イランだけが制裁を受けてジリ貧になってしまいます。そんな状況は受け入れられない、とイランは主張しているのだと思っています。
イランはこれから核開発も徐々に再開していくでしょう。トランプを徹底的に困らせ苦しめようと思っているのでしょう。一歩間違えれば戦争になってしまう非常に危険な賭けです。中東の危機は続きます。
注目のコメント
にわかには信じがたいことですが、一部のアメリカの報道では今回の攻撃がイランのイラク国境近いイランの南西部(位置的にはマーフシャフル付近)の基地から、10以上のドローンと巡航ミサイル、もしくは巡航ミサイルのみによって行われたと報じています。
イランから発射された巡航ミサイルは、イラクとクエートを掠めるように飛行した後、サウジのパトオットの防空網の間隙となるリヤドと海岸部の間の砂漠地帯を通って目標に到達したと予想しているようです。
事実なら即戦争に直結する行為で大変なことですが、中東のニュースはともかくフェイクとプロパカンダが多いので、現時点ではなんとも言えません。「イラン領土から」であって、「イランから実施と断定」との見出しは「イラン政府の意志と手によるものと断定」という意味を含んでいて、若干ミスリーディングな気がしますね。
トランプも"looking like"という言い方をしていますし、断定する割にはどのような証拠に基づいているかは一切明かさないあたり、つい疑ってしまいます。
速報では「ドローン」と言われていましたが、徐々に巡航ミサイルだったという情報も出てきて、今回の記事で米国から巡航ミサイルであったことに肯定的な見解が出てきたことは新しいです動きです。
「イスラエル」の軍事情報に通じていると言われるジャーナリスト集団DEBKAfileでも、同様にイラン領土からの巡航ミサイルという報道が出ています。ただし、イラク西部からのドローンを含む17発のうち12発が命中したとのこと。
Exclusive: Iran shot missiles from Khuzestan, drones from W. Iraq at Saudi oil facilities - DEBKAfile https://www.debka.com/exclusive-iran-shot-missiles-from-khuzestan-drones-from-w-iraq-at-saudi-oil-facilities/
これまで、「イランの支援を受けたフーシー派の仕業」とすることが多かったですが、イランがどの程度関与しているのか不明確な上、フーシー派としてもイランの意志と能力としてというより、独自の行動であることをアピールしたいようで、フーシー派のドローンには「Made in Yemen」とわざわざかいてあるくらいです。
ここからは完全に邪推ですが、仮にイラン以外の米国とイランの対立を望む勢力による犯行であると仮定すると、イランの支援を受けるイエメンのフーシー派によるものだといまいちインパクトが弱いので、イラン領土からの巡航ミサイルとすることで、よりイランの直接的関与を印象づける工作をしたのではと思ってしまいます。
フーシー派は普段ドローン攻撃が中心で、しかも今回そのような犯行声明を出していますからね。ポンペオはすぐに「イエメンからという証拠はない」と反応しています。