マツキヨとココカラ、統合協議に潜む「落とし穴」
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M&Aをすれば自動的に企業価値ないし株主価値は増えると誤解されていますが、買い手か売り手のどちらかが一方的にどうしようもなくマヌケで、買い手がよっぽどの高値づかみする、または、売り手が出血大サービスの激安価格で売るといったことでもなければ、M&Aも一般的な取引と同じ「等価交換」されるため、M&Aしただけでは、株主価値は増えません。
どうすればM&Aで株主価値を上げられるか。それはひとえにシナジーが生じるかどうかにかかっています。
このシナジー効果。口で言うのは簡単ですが、実現は難しいものです。世の中で公表されるM&Aのプレスリリースでも「両社のシナジー効果によって・・・」と語られていますが「幻想」であることが少なくありません。
そのシナジー効果をどうやって生み出すか。それがとってもキレイにまとめられているのが本記事です。
でも、理屈でわかっても実践は難しいんですよね。PMIでは、出自の違う2社について、ある意味の「勝ち負け」をハッキリさせないといけないからです。
本記事にあるとおり、マツキヨとココカラのすべてのブランドをそのまま残していてはシナジーもへったくれもありません。売上利益規模でも時価総額でも「勝ち」はマツキヨなので、ココカラのブランドを整理・統一できるか。これにかかっています。
ココカラのメンツなど気にせず、バサーっと統一できるかどうか。本案件が公表されたとき「両社は対等の精神で・・・」と書かれていたので(もしかして両社の社員向けリップサービスかもしれませが)、この点について、実はちょっと心配しています。「規模の経済性」「密度の経済性」ってMBAコースで、最初の必須科目の内容ですね。
ココカラファインは、セイジョーなどのブランドが統一されてあまり期間がたっていなかったですよね。
マツモトキヨシはPBにすごく力を入れていて、実際にサプリメントやプロテインなどは品質がいいなと購入してみて実感があります。
思い切ってすべてマツモトキヨシに転換するのも有りだと思います。規模の経済について、分かりやすい記事。
規模が増えれば交渉力が上がったり、重複コストを省いたり、設備増がいらないなかで稼働率があがると、特に利益は出やすい。
一方で、規模が拡大すれば、その管理も必要となる。規模に伴い増える責任もあるし、それらに対処するためのコストは明確にかかる。
小売は一個一個の店舗でかかる固定費・変動費、そして全体でかかる固定費・変動費もある。それらが企業・事業の「経済性」を規定するし、規模拡大が必ずしも利益につながるとは限らない。
ドラッグストアはこれまで買収を重ねて、そのマネジメントに成功してきた企業が強い業界(独自路線のコスモス薬品以外は)。一方で、一定集約が進んでいるし、マツキヨ・ココカラは既に規模が大きい。PBについてはシナジーがあると思う(PBは粗利率が高く、ココカラを通しても販売できることの規模メリットはあると思う)。それ以外はどうだろうか。