「教科書が読めない人」は実はこんなにいる
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読解力の問題は、本記事の新井さんが書かれた『AI vs 教科書を読めない子どもたち』のメインテーマであるが、最近NPもそういうピッカーが増えてきたなぁと折に触れ感じるところです。
記事中の下記問題は自分の読解力をはかる上で、良いリトマス紙ですので、是非チャレンジあれ。(答は本記事で)
次の文を読みなさい。
アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
セルロースは( )と形が違う。
(1)デンプン (2)アミラーゼ (3)グルコース (4)酵素
この問題、以前も分かりにくい文章をあえて出題して!とNPでも評判悪かった記憶がありますが、個人的には、そんなに複雑じゃないし、「こんなもの間違える人いるの?」というレベルなんですが…。
こうして読めない人が増えているのか、単に最近可視化されたのか、RSTの経年データがない中では分かりません。個人的には、単純な言語能力や論理構成能力のような知能の差なんじゃ?とも思うのだが、出版社の方々が「最近は一文が短く口語調の柔らかい文体の本しか売れない」と言うのを聞くと、増えてきているのかとも思ってしまう。「機能的非識字」(きのうてきひしきじ)の問題として深刻に受け止めるべきだと思います。
機能的非識字とは,「文字」としては読めるけど,「文章」としての意味が分からない状態のことをいいます。
プロフィールに記載させていただいているとおり,「隙あらばイタリア語り」で恐縮ですが,イタリアでは,2005年11月前後に,
「義務教育を出ている人も,4人に1人は新聞記事の内容が正確に理解できない」
というのがまあまあニュースになっていました(※)。
当時,私の周囲では,「日本ではそんなことあり得ないやろ」って意見が多かったのですが,個人的には,日本でも多かれ少なかれ似たような状況ではないかと考えていたので,14年越しに,「やっぱりそうだったのか」って気持ちになりました(我ながら,何とも後出し感の強いコメントですが)。
その頃イタリアでは,「ほれ見たことか。義務教育がポンコツだからこうなるんや」って意見が噴き出したのですが,あいにく私が教育関係者ではないので,その後どの程度改善したのかは残念ながら良く分かりません。
ただ,記事にも,他の方のコメントにもあるように,読解力が不足している人が多いというのは深刻な問題です。
きちっとした調査・分析・対策は日本でも間違いなく必要です。
※ イタリアの新聞社である,ラ・レプッブリカ社のHPより。イタリア語ですが。
(14年前の記事が残っていたのに少しびっくり)
https://www.repubblica.it/2005/k/sezioni/scuola_e_universita/servizi/analfabetismo/analfabetismo/analfabetismo.html
(以下,追記)
国際比較だと,OECDの国際成人力調査の結果がそれなりに参考になるかもしれません。初めて見ましたけど,結構興味深いです。
http://www.nier.go.jp/04_kenkyu_annai/pdf/piaac_summary_2013.pdf
・・日本と比較すると,イタリアはやっぱり大概でしたか。うーむ・・。
ロマンス語系の国(イタリア,フランス,スペイン)が同じようにそこそこ悪いので,イタリア人にとってもイタリア語の文法が分かりにくかったりするのかな・・?学校現場では、文章を読んで考えるなんて"ナンセンス"というのが、一般的になっているのです。
つまり、視覚に訴えるプロジェクター等を使った学習が、流行りであり、教師の授業評価にも"あの先生プロジェクター使ってますか".なんちゅう質問があるわけです。
だから、読む力なんて良くなるわけないのです。
数学も文章題はほぼ全滅がいつものことになってるのです。数学的な力がないというより、問われてる内容がわかんないのですね。
昔の日本人の良さがなくなってきてるわけです。日本人は読解力が優れている民族だったのです。
例えば、戊辰戦争で薩摩と長州と土佐の人達が、議論してもお互いの言ってる事がわかんなかったのです。でも、文章にしてお互いコミュニケーションとった、つまり普通の人でも文章を読めたのです。しかし、今は?
日本は沈没するばかりなのでしょうか?