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遺伝子治療薬で初の医療保険適用 血管詰まる病気の患者対象

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    再生医療・幹細胞生物学研究者

    初の国内の遺伝子治療薬コラテジェンの薬価が決まりましたね。薬価の高い低いの問題は昨今ついて回りますが、マーケットはこの価格にネガティブの様子、また、申請者側はまだ安いと考えているかもしれません。

    ニュースのポイントはいくつかあると思いますが、まずは初の遺伝子治療薬という点。

    プラスミドと呼ばれる、タンパク質を細胞内で産生するためのDNA配列のパッケージ自体が製品です。ウイルスなどを使わず効果発現を目指します。逆に世界最高額がついて最近話題になったゾルゲンスマ(アメリカ承認、ヨーロッパ、日本審査中)は、例えばアデノ随伴ウィルスの部品を使っている製品です。

    当商品は筋肉に注射する形態を取りますが、ウイルスなどのシステムは使用してないので、細胞内に取り込まれる必要があります。DNA配列からタンパク質を産生する必要があります。

    実はこの製品は2008年に承認申請が行われたものの、当時
    、審査過程における PMDA との協議の結果、提出された成績からでは有効性及び安全性については明確な判断ができる状況ではないとの見解を受け、一度取り下げされています。

    その後、条件および期限付き承認制度が始まり、その適応を変えて申請され、その名の通り、条件と期限付きで承認されている商品となりました。これが2つ目のポイントです。

    本承認取得には更なる臨床データの集積が必要であり、それらを期限内に満たせなければ、取り下げも制度上あります。

    上記の作用メカニズムは、プラスミドの細胞内へのデリバリーもハードルがあったりと、特に有効性に関しては今後、真価が問われます。


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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    記事で扱われている薬品は、HGFと呼ばれる血管の成長に用いられる栄養素のもとになる遺伝子を搭載した治療薬です。薬剤の投与後、HGFが体内で増えることにより、詰まって通行止めになった血管の周りに、バイパス道路となるような血管が育ち、血液の流れが再び獲得されるという効能が期待できます。

    しかし、病気の根本にあるのは、長年の高血圧や糖尿病、喫煙といった生活習慣病による動脈硬化などであり、根本的な治療ではないため、病気が根治するという類の治療ではありません。すなわち、効果は限定的であるということです。

    また、対象となるのは、既存の薬剤治療で改善せず、その後の第一選択の治療である手術を受けられない患者さんです。すなわち、認知症の患者さんや寝たきりのご高齢の患者さんなども想定されています。

    薬価は一回あたり60万円ほどになるようです。

    遺伝子治療が最も期待をもたれているのは、単一の遺伝子の異常により重度の障害をきたす子供の遺伝的疾患です。これと比較すると、有効性、対象患者が大きく異なることがお分かりになると思います。

    そのような事実をふまえて、この60万円の薬価の薬剤を保険収載するという判断が、妥当なのかどうか。少なくとも、数億円規模の売り上げが予想されています。もちろん、これにより助けられる患者さんがいるわけですが、日本の医療経済全体を見渡した上で、批判もあって然るべき判断だと思います。


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    順天堂大学医学部総合診療科 准教授

    慢性動脈閉塞症とバージャー病に対する新たな治療薬が国内初の遺伝子治療薬として5年限定で保険収載されるようです。機序などの詳細については山田先生がわかりやすくコメントしてくださっています。

    慢性動脈閉塞症は動脈硬化がひどい人や血栓ができやすい人に起こる疾患で、文字通り下肢の動脈が閉塞することによりその先の血流が滞り壊死してしまいます。これまではカテーテルによる血栓除去や血液をサラサラにする薬を使うしかありませんでした。今回の薬は近くの筋肉に薬を投与することにより新たな血管を構築する治療法です。

    副作用はほとんどないようですが、薬の影響と考えられる悪性腫瘍がちらほら報告されているようです。

    新たな治療法が開発されることにより救われる人がいるのは非常に喜ばしいことですが、医療費が有限である事も知っておく必要があります。今後発表されるであろう新薬をいつまで保険で収載してもらえるのか将来的不安はあります。

    薬をもらいに来るための受診など、無駄な医療をなくす事は新薬を日本で使え続けるためにも重要です。いつまでの最先端の医療を提供し続けるためにも日本国民全体のヘルスリテラシーの向上と適正医療が求められます。


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