ベルクソン『時間と自由』を解読する
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宇多田ヒカルも読んだというベルクソンの「時間と自由」。でもこの本は物理学をある程度理解してないと、ノーベル文学賞を受賞しているベルクソンに煙に巻かれるか、分かった気になる危険な書物でしょう。
自由を時間←意識←内在的自己から語る姿勢はスピノザに通ずるところもあるが、この「時間」の理解の方が重要でいわばデカルトやアインシュタインの時間観をも覆す企みを数式(定量化)を使わずに展開している。
モノからコトへやコト消費と言われて久しいが、稀少な時間消費をベルクソン的に分析した論考は見たことが無い。まぁ主観的時間が長くなったり短くなったりするくらいの話はしているが、時間を「消費」するという認識では益々ベルクソンから遠ざかることに。これを事物の「(内的/本性的)差異」と結びつけたドゥルーズですらも、無印良品として咀嚼されてしまう時代なのかもしれません。
つまりベルクソンの「時間」を現代物理学や脳科学から批判する試みがあって然るべしなんだと思います。